血液中のDNA、癌の痕跡を語る

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[バイオキーワード] ‘多重癌早期診断’の鍵、WGS


画像=ゲッティイメージバンク。

「血液を一度採取して、複数の癌を同時に早期に見つけることができるだろうか。」

さまざまな癌種を迅速に見つける診断検査の分野に対する関心が高まる中で、「全ゲノム配列(WGS・Whole Genome Sequencing)」と人工知能(AI)の組み合わせが重要な技術として挙げられている。原理は単純だ。血液中のDNAの断片を全ゲノムレベルで広くスキャンし、AIがその中から癌に関連するパターンを見つけ出す方法である。

DNAは私たちの体の遺伝情報を含む設計図である。WGSは特定の遺伝子をいくつか見る検査とは異なり、DNA全体(ゲノム)を読み取って「全体地図」を作成する。ただし、全体を読み取ったデータは膨大で複雑である。ここでAIが役割を果たす。人間の目では見逃しやすい微細な変化や繰り返される信号を見つけ出し、癌の可能性として分類するのである。

多重癌早期診断で主に利用される素材は「液体生検」である。血液には細胞が死んで新しく生まれる過程で生じたDNAの断片である「細胞遊離DNA(cfDNA)」が浮遊している。癌がある場合、癌細胞からもcfDNAが出るが、初期の段階では量が極めて少ないため、区別が難しい。

最近では癌DNAを直接捕まえるのではなく、cfDNAが示す間接的な信号を読み取ろうとするアプローチが増えている。たとえば、cfDNAの断片の長さや分布といった特徴を活用したり、全ゲノムを非常に密に読み取るのではなく「低密度全ゲノム分析(lcWGS)」で広くスキャンし、コストを下げながらも信号を確保する。ここにAIがさまざまな手がかりを組み合わせて癌信号を選別する。簡単に言えば、WGSが全体の絵を描くと、AIがその中で疑わしい痕跡を示す構造である。

このようなアプローチを実際の商用検査として実現しようとする試みも出てきている。液体生検・臨床ゲノム分析専門企業GCジノームは最近、日本の液体生検学会でAI基盤の多重癌早期スクリーニング検査「アイキャンサーチ(ai-CANCERCH)」の性能検証結果を発表した。

会社側の説明によれば、アイキャンサーチは血液チューブ1本で多重癌信号を検出する検査で、AIアルゴリズムと全ゲノム分析を組み合わせたものである。外部検証コホートで特異度95.5%、全体感度79.7%、病期加重感度80.2%を記録したと述べている。膵臓癌・胆道癌で高い感度を示し、肺癌・大腸癌・乳癌などでも一定の感度を示したという内容である。

標準検診の代替ではなく「隙間を補完」…適用対象も課題

これらの技術が「多重癌早期診断の鍵」と呼ばれる理由は明確である。特定の遺伝子だけを見る方法よりも全体のパターンを捉える余地が大きく、癌種を問わない検診ツールとして設計できるからである。特に既存の標準検診が相対的に弱い膵臓癌・胆道癌のような癌種で期待が高まる。

また、lcWGSのようにコスト負担を軽減する戦略は商用化の可能性を高める。全ゲノムを高コストで精密分析する代わりに、広くスキャンして信号を得てAIで解釈すれば、現実的なコストと効率の間で妥協点を見つけることができるという意味である。

ただし、専門家は「良い技術がすぐに良い検診を意味するわけではない」と強調する。大腸内視鏡や乳房X線検査のように根拠がしっかりした標準検診をすぐに代替するのではなく、まだ隙間が大きい領域を補完するツールとしての役割を確立する必要があるということである。結局、この技術が実際の現場で力を発揮するためには「誰がいつ受けるのか」、「陽性後にどう確認するのか」まで一緒に検証される必要がある。

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