「腹部CTを1回撮影すると、放射線業務従事者の年間被ばく線量の24倍」

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健保公団「国内の撮影件数はOECD最多だが、リスク認識が不足」

国民健康保険公団によると、CT検査を受ける国民の平均放射線被ばく線量は、放射線関連業務に従事する人の8倍に達することが分かった。写真=ゲッティイメージバンク

国民健康保険公団(健保公団)の調査で、年間の放射線基準における適正な被ばく量を超える人が約5万人に上ることが分かりました。

特にCT(コンピュータ断層撮影)検査の利用に伴う国民の年間平均放射線被ばく線量は2.1mSv(ミリシーベルト)で、航空機乗務員(年平均1.72mSv)の1.2倍、放射線業務従事者(0.28mSv)の8倍と集計されました。

健保公団は22日、こうした内容を盛り込んだ「医療画像検査の利用および過剰撮影の現況」を公表し、国民が検査を適切に利用できるよう、啓発(認識向上)を進める方針を示しました。

CT検査はX線を用いて人体内部をさまざまな角度から撮影し、コンピュータで再構成して病気を診断する検査です。一般のX線検査より内部構造を詳しく確認できますが、その分、放射線被ばく線量も高くなります。

一般に、CT撮影1回あたりの放射線被ばくは2〜15mSv程度です。自然放射線による被ばくが年間約3mSv前後であることを踏まえると、年に1回検査を受けることが健康に有意な影響を及ぼすとは言いにくいとされています。国際機関でも、患者に許容される被ばく線量の上限基準を別途定めていないのが現状です。

ただし健保公団は、「国際放射線防護委員会(ICRP)などによれば、年間の被ばく線量が100mSvを超える患者では、がん発生リスクが0.5%増加すると報告されている」と警鐘を鳴らしました。近年、裁判所が長時間の飛行で放射線にさらされる航空機乗務員の疾病リスクが高まり得ることを認めるなど、放射線被ばくの潜在的リスクが公的に確認される流れも出ています。

一方、国内のCT検査は増加傾向が続いています。2023年時点で、国内の人口1000人当たりのCT件数は333.5件で、OECD(経済協力開発機構)平均の177.9件を上回るだけでなく、加盟国の中で最も高い水準でした。CT撮影人数は2020年の591万人から昨年は754万人へと27.5%増加し、撮影件数は1105万件から1474万件へと33.3%増えました。

資料=国民健康保険公団

同期間に、CT撮影だけで年間100mSv以上の医療放射線に被ばくする患者も37.6%増加し、昨年は4万8071人と集計されました。

健保公団の関係者は、「腹部CTを1回撮影した際の医療放射線被ばく線量を6.8mSvと仮定すると、これは放射線業務従事者の年平均被ばく線量より約24倍多い水準だ」とし、「わが国はCTの利用が多い国であるにもかかわらず、患者の医療放射線被ばくに伴うリスクが十分に考慮されていない状況だ」と述べました。

これを受け、チョン・ギソク健保公団理事長は「患者が医療画像検査を適切に利用しつつ、不必要な医療放射線にさらされないよう最善を尽くす」とし、「全国民を対象とした医療放射線被ばくリスクの案内と広報を一層強化する」と語りました。

国民健康保険の公式サイトおよびモバイルアプリ(The健康保険)を通じて、誰でも簡単にCT検査および乳房撮影の履歴を照会できます。放射線被ばくの影響を受けやすい12歳未満の子どもは、一般撮影(X線検査)も照会可能です。

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