中等度の変形性膝関節症を1年追跡 自己脂肪由来SVF注射群で進行率低下

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ヨンセサラン病院が108人を比較 進行3.7%対31.5%、6・12カ月後の疼痛スコアも低値

自己脂肪由来の間質血管分画(SVF)を患者に注射している。 写真=ヨンセサラン病院

中等度の変形性膝関節症患者に対し、自身の脂肪組織から分離した細胞成分を注射して1年間追跡したところ、関節鏡治療を受けた患者に比べ、関節症が進行した割合が低かったとする研究結果が示された。

疼痛についても、治療6カ月後と12カ月後はいずれも注射治療群の方が低かった。

一方で、すでに治療を受けた患者の診療記録を用いて比較した研究であり、今回の結果だけで注射が関節症の進行を遅らせたと断定はできない。

保健福祉部指定の関節専門ヨンセサラン病院は、中等度の変形性膝関節症患者に自己脂肪由来の間質血管分画(SVF・Stromal Vascular Fraction)注射を行い、関節鏡治療群と12カ月の経過を比較したところ、こうした傾向が確認されたと10日、明らかにした。

患者441人から条件が近い108人を比較

研究チームは、2022年4月から2025年6月までに治療を受けた患者のうち、研究基準を満たした441人を抽出した。関節鏡治療群が217人、SVF注射群が224人だった。

対象者は、膝変形性関節症のX線基準であるケルグレン・ローレンス(K-L)分類で2〜3段階に該当する患者だった。

K-L分類は、関節裂隙の狭小化の程度や骨の変化などを基に、変形性関節症を0〜4段階に区分する。数値が高いほど関節症が重いことを意味する。

両治療を受けた患者の年齢や体重、初期の関節症の程度が異なれば、治療後の結果にも影響し得る。

研究チームはこうした差を小さくするため、年齢、性別、体格指数(BMI)、K-L分類、治療前の疼痛レベルなどを基準に、傾向スコアマッチング(PSM)を適用した。条件が近い患者同士をペアにして比較する統計手法だ。

その結果、関節鏡群54人、SVF群54人の計108人が最終解析に含まれた。

3カ月までは同程度…6カ月から疼痛に差

疼痛は、患者が感じる程度を数値で示す視覚的アナログスケール(VAS)で評価した。スコアが高いほど疼痛が強いことを意味する。

治療後3カ月までは両群とも疼痛が軽減し、両群間に明確な差はなかった。

差は6カ月から現れた。平均疼痛スコアは、関節鏡群が2.8点、SVF群が2.5点だった。

12カ月では、関節鏡群が3.5点、SVF群が2.9点だった。研究チームは、6カ月と12カ月のいずれもSVF群の疼痛スコアが統計学的に有意に低かったと説明した。

1年後の関節症進行は31.5%対3.7%

より大きな差は、関節症の進行率で確認された。

研究チームは、治療後12カ月の間にK-L分類が1段階以上上昇した場合を、関節症が進行したと定義した。

関節鏡群では54人中17人に当たる31.5%で関節症の進行が観察された。SVF群では54人中2人に当たる3.7%だった。

人工膝関節全置換術に移行した患者も、関節鏡群では4人いたが、SVF群ではいなかった。

ただし、人工関節手術を受けた患者数自体が少なく、今回の結果だけでSVF治療が人工関節手術のリスクを下げるとみるのは難しい。

幹細胞だけを入れる治療ではない

SVFは、患者自身の脂肪組織から分離した複数種類の細胞成分を用いる治療だ。

一般に幹細胞治療と併せて言及されるが、脂肪由来幹細胞という1種類だけを分離して用いる方法ではない。脂肪組織内のさまざまな細胞や血管関連細胞などが一緒に含まれる混合物である。

これらの細胞が炎症を調整し、損傷組織の周辺環境に影響を及ぼす可能性があるとして、変形性関節症治療の分野で研究が進められている。

関節鏡治療は、小型の内視鏡を膝関節内に挿入して内部を確認しながら、損傷した半月板や軟骨など、疼痛の原因となり得る病変を治療する方法だ。

ただし、今回の研究結果をもって、両治療のうちどちらか一方がより優れているという結論に直ちに結び付けるべきではない。研究者が患者を最初から無作為に2群へ割り付けて治療した臨床試験ではなく、すでに治療を受けた患者の記録を後から比較したためだ。傾向スコアマッチングで主要条件をそろえても、治療選択に影響した別の要因が残っている可能性がある。

コ・ヨンゴン ヨンセサラン病院長は「両治療法とも初期には疼痛緩和効果がみられましたが、6カ月と12カ月の時点ではSVF治療群の疼痛スコアがより低く、12カ月間の放射線学的な関節症進行率も相対的に少なく観察されました」と語った。

コ院長は「今回の研究は後ろ向き観察研究であり、傾向スコアマッチングを行っても、測定されていない潜在的要因を完全に排除することはできません」とした上で、「現時点の観察結果だけで治療効果を過度に断定するのではなく、今後は大規模な前向き無作為化比較試験を通じて長期的な有効性を綿密に検証する必要があります」と付け加えた。

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