
9月に入るとレンコンの収穫が始まります。ハスの地下茎であるレンコンは、秋から冬にかけて味わいたい食材です。中でも、しょうゆで煮含めたレンコンの煮物は、家庭の食卓に頻繁に登場するおなじみの常備菜です。加熱しても独特のシャキシャキした食感が残り、噛み応えがあるうえ、食物繊維やカリウム、ビタミンCなどの栄養素をバランスよく含みます。秋の食卓に取り入れやすいレンコンの栄養情報と活用法を紹介します。
定番の常備菜でも栄養はしっかり…食物繊維・カリウムを含有
レンコンは名前からハスの根だと思われがちですが、正確にはハスの地下茎の部分です。切ると複数の穴が規則的に並ぶ独特の断面が現れ、加熱してもシャキッとした食感が残るのが特徴です。
レンコンで注目したい栄養素は食物繊維です。農林畜産食品部が運営する「農食品情報ヌリ」によると、生のレンコン100g当たりの食物繊維は2.4g含まれています。食物繊維は腸の動きやスムーズな排便を助けます。レンコンのような野菜から食物繊維を継続的に摂取し、水分を十分に取ると腸の健康に役立ちます。
血圧管理の観点では、カリウムを摂取できる点も利点です。レンコン100gにはカリウムが377mg含まれています。生のサツマイモ100g当たりのカリウム含有量が429mgであることと比べても、大きく見劣りしない水準です。カリウムは体内のナトリウム排出を助け、正常な血圧の維持に必要な栄養素です。
果物に豊富なビタミンCはレンコンにも含まれています。レンコン100gのビタミンC含有量は57mgで、ウンシュウミカン(29mg)の約2倍です。ビタミンCは有害な活性酸素から細胞を守るために必要で、結合組織の形成や機能維持にも関与します。鉄の吸収にも必要な栄養素です。
ご飯が進む「レンコンの煮物」しょうゆ・砂糖たっぷり?…シイタケ・昆布でうま味を生かす
レンコンといえば、まず思い浮かぶ料理がレンコンの煮物です。薄切りにしたレンコンをしょうゆベースの調味液で煮含めると、塩味と甘みが合わさり、ご飯のおかずによく合います。加熱しても独特のシャキシャキした食感が残り、噛み応えも楽しめます。
ただし、レンコンの煮物は調味料を使い過ぎないよう注意が必要です。一般に、しょうゆと砂糖、水あめやオリゴ糖などで味を調えます。このとき、しょうゆの使用量が増えるほどナトリウムが多くなり、砂糖や水あめなどを多めに入れると糖類の摂取量も増えます。
塩辛いものを頻繁に食べてナトリウム摂取が多い場合は、食事を通じてカリウムを十分に補うのが望ましいとされます。レンコンにもカリウムは含まれていますが、塩分が強すぎると利点が相殺されます。血圧を管理している場合は、調理法に気を配るとよいでしょう。しょうゆを多く入れない代わりに、昆布やシイタケなどでうま味を足せば、塩味に頼らずに風味を引き立てられます。

シャキシャキ食感を生かすには…チヂミ・サラダ・炊き込みご飯で活用
レンコンは煮物以外にも活用度の高い食材です。独特のシャキシャキした食感があり、焼く、揚げ焼きにする、さっと下ゆでするなど、調理法によって違った味わいを楽しめます。
代表的なのがレンコンのチヂミです。レンコンを薄く輪切りにし、衣をつけて焼くと、表面はこんがりしつつ中はシャキッとした食感が残ります。ひき肉や豆腐などをレンコンの間や穴に詰めてチヂミにすれば、食べ応えのある一品にもなります。
さっぱり食べたいならレンコンのサラダも新鮮です。薄切りにしたレンコンをさっと下ゆでし、レタスやベビーリーフなどと合わせればよいでしょう。ゴマやエゴマを使ったソースを添えると、香ばしさも加えられます。このとき、マヨネーズや糖類が多いドレッシングは、ソースの量を調整して加えるのがおすすめです。
ご飯を炊くときにレンコンを加え、栄養ご飯のように食べる方法もあります。食べやすい大きさに切ったレンコンを米と一緒に炊くと、レンコンの歯ごたえが加わります。特別な味付けをせずに素朴な味を楽しむか、好みに応じてしょうゆベースのたれを添えるとよいでしょう。さらに、薄切りにしたレンコンを炒めたり、酢を使ってさっぱり和えたりするのも一味違う楽しみ方です。