
小腹が空いたとき、パリッとして塩気のある魚肉シートをつまむ人もいます。魚から作られているためたんぱく質を補え、一般的なスナック菓子より負担が少ないというイメージもあります。実際、市販のスナック型の魚肉シートは、魚の身を加工したすり身を主原料に使っています。では、本当に一般的なスナック菓子より良いと言えるのでしょうか。
魚肉シートは製品によって栄養構成が大きく異なります。すり身に砂糖やでんぷん、小麦粉などを加えて味付けした商品が多く、パリッとした食感を出すために油で揚げている場合もあります。おやつとしてよく食べられるスナック型の魚肉シートの栄養成分表示を見てみます。
魚の身で作ったのに…炭水化物がたんぱく質の5倍?
実際に販売されているスナック型の魚肉シートを見ると、炭水化物や糖類の含有量が少なくありません。A魚肉シート揚げスナックは100g当たり炭水化物が60gで、このうち糖類が36gです。一方、たんぱく質は12gです。魚で作ったおやつですが、炭水化物がたんぱく質の5倍という計算になります。
この製品を1回に30g食べると仮定すると、炭水化物18g、糖類10.8gに対し、たんぱく質は3.6gです。すり身のほかに砂糖やでんぷん、トウモロコシ由来の穀類加工品などが入っており、炭水化物の比率が高めです。
小分け包装の商品でも同様です。Bスケトウダラチップは1袋(23g)当たり炭水化物13g、糖類10g、たんぱく質4gが含まれています。原材料にも冷凍すり身とスケトウダラの身のほか、砂糖、コーンスターチ、小麦粉などが表示されています。
C魚肉シート揚げスナックは1袋(28g)当たり炭水化物15g、糖類7g、たんぱく質5gが含まれています。原材料を見ると、冷凍すり身のほかにも砂糖、コーンスターチ、小麦でんぷん、小麦粉などが使われています。
血糖を管理するなら、糖類の数値だけでなく総炭水化物量もあわせて確認する必要があります。砂糖だけでなく、でんぷんや小麦粉に含まれる炭水化物も消化の過程でブドウ糖に分解され、血糖に影響するためです。同じ魚肉シートでも原材料や配合によって炭水化物・糖類の含有量に差があるため、栄養成分表示を丁寧に確認しましょう。
パリッとした魚肉シートの意外な落とし穴…油で揚げると脂質・カロリーも上昇
スナック型の魚肉シートを選ぶ際は、調理方法も見極める必要があります。魚肉シートを油で揚げたり、油で処理(油ちょう)してスナック菓子のようなパリッとした食感に仕上げた商品もあるためです。この場合、油が加わることで脂質とカロリーも一緒に高くなります。
実際にA魚肉シート揚げスナックは、味付け魚肉シート90%、大豆油10%を使用した製品で、100g当たり500kcal、脂質23gです。1回に食べる量を30gとすると、150kcalに脂質6.9gを摂取する計算になります。
Bスケトウダラチップも「油ちょう処理製品」です。油ちょう処理とは、食品を油で揚げたり油で処理したりすることを指します。1袋(23g)は105kcalで、脂質4gです。原材料にもひまわり油が含まれています。C魚肉シート揚げスナックも原材料の10%が大豆油で、1袋(28g)当たり135kcal、脂質6gが含まれています。これらの製品は重量に比べてカロリーが高めです。

特に大容量商品は、食べる量を決めておかないと、つい多く食べてしまいがちです。魚肉シート自体が薄く軽いため、食べ進めるうちに実際の摂取量を把握しにくくなります。体重管理中なら、最初から小分け包装を1つだけ食べるか、適量を取り分けて食べるほうがよいでしょう。また、油ちょう処理の有無と、1回摂取量当たりのカロリー・脂質もあわせて確認する必要があります。
塩気でつい手が伸びる…ナトリウムも確認を
血糖やカロリーだけを見て見落としやすいのがナトリウムです。魚肉シートは塩気を出すために食塩や各種調味料を使った製品があり、ナトリウム含有量もあわせて確認する必要があります。
先に見たA魚肉シート揚げスナックは、100g当たりナトリウム770mgで、1日当たりの栄養成分基準値(2000mg)の39%に相当します。1回に食べる量を30gとすると、約231mgです。Bスケトウダラチップも1袋(23g)にナトリウム210mgが含まれています。C魚肉シート揚げスナックは1袋(28g)に235mgが含まれています。
世界保健機関(WHO)は、成人の1日当たりのナトリウム摂取量を2000mg未満とするよう推奨しています。魚肉シート1袋や30gのナトリウム量だけを見ると多くないように見えますが、汁物・鍋物やキムチなど食事で摂取する量まで加えると、1日の総摂取量は一気に増えます。
過剰なナトリウム摂取は血圧を上げる原因になります。普段の食事だけでなく、おやつとして食べる加工食品のナトリウムも考慮する必要があります。