
大腸がん検診を受けたいと思っても、大腸内視鏡や便潜血検査(便検査)に抵抗を感じる人は少なくありません。大腸内視鏡は前日に下剤を飲み、トイレに何度も通う必要があり、負担になりがちです。以前よりはかなり楽になったとはいえ、「それでも気が重い」という声もあります。大腸がん検診も、採血1回で済ませられないのでしょうか。こうした中、韓国の研究チームが、血液検査で大腸がんを見つける方法を示しました。実臨床での活用には追加研究が必要になる可能性はありますが、採血だけで大腸がん検診が可能になるという報告は朗報です。
血液検査で大腸がんを見つける時代は来るか?
27日、ソウル峨山病院(アサンメディカルセンター)消化器内科のピョン・ジョンシク教授、ホン・スンウク教授の研究チームは、血液を用いた大腸がん診断検査が非常に高い精度を示したとする研究結果を発表しました。論文は国際学術誌 〈米国消化器病学会誌〉に掲載されました。大腸がん患者と正常対照群の計1000人余りを分析した結果、この血液検査の診断感度は90.4%に達したとしています。現在実施されている便潜血検査の感度は70~80%水準です。研究チームは、血液だけで手軽に大腸がんをスクリーニングできる可能性を示した点を強調しました。特に人工知能(AI)のディープラーニングモデルを活用し、血液検査法の精度を高めました。
大腸がんは年間3万2610人…男性は50代、女性は80歳以上で最多
大腸がんは、男性では50代、女性では80歳以上で最も多く発生するがんです。国家がん登録統計によると、2023年の大腸がんの新規患者は男女合計で3万2610人でした。甲状腺がん、肺がんに続き、全がん発生の3位を記録しました。年齢層別に最も多かったがんは、男性では50代が大腸がん、60代・70代が前立腺がん、80歳以上は肺がんでした。女性は40代・50代・60代が乳がん、70代が肺がん、80歳以上は大腸がんが最も多くなりました。
大腸検診が重要な理由…症状を自覚した時点でかなり進行していることも
大腸がんは、大腸内視鏡や便検査など、事前の検診が重要です。排便異常などの症状を自覚した時点で、かなり進行しているケースが少なくないためです。内視鏡検査の最中に、がんの前段階である進行性大腸ポリープを切除できることもあります。ただ、検査前日に大腸をきれいに空にするための準備がつらいのが難点です。現在、韓国の国家がん検診制度では、大腸がん検診は採便による便潜血検査が基本です。結果が陽性の場合、大腸内視鏡検査を勧めています。国民健康保険公団によると、大腸がん検診の受診率は44.4%で、主要ながんの中で最も低い水準です。便潜血検査で陽性となった人が大腸内視鏡を受ける割合も低めです。
早期は無症状…進行した大腸がんの症状は?
大腸がんは早期には、ほとんどの場合、目立った症状がありません。かなり進行した大腸がんの主な症状としては、急に便が出にくくなる、排便回数が変わるなど、排便習慣の変化があります。下痢、便秘、または排便後に便が残っているような不快感、血便または粘液の混じった便、以前より細くなった便、腹部の不快感(腹痛、腹部膨満)、体重や筋力の低下、疲労、食欲低下、消化不良、吐き気、嘔吐、腹部にしこりのようなものを触れることがあります。こうした症状がある場合は、病院の消化器内科を受診し、相談するのがよいでしょう。