焼く・揚げる調理で発生する超微小粒子状物質、肺だけでなく「記憶力」にも影響の恐れ

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疾病管理庁の動物実験で海馬の損傷と空間記憶の低下を確認 調理中・調理後の換気習慣が重要

食材を焼いたり揚げたりすると、室内の超微小粒子状物質の数値が高くなります。最近の研究では、調理中に発生した超微小粒子状物質が、退行性の脳疾患を引き起こす可能性も示されています。写真=ゲティイメージズバンク

料理をするとき、室内に残るにおいと換気は多くの人にとって悩みの種です。

食材を焼いたり揚げたりすると、室内の空気は短時間で悪化します。肉類・魚類に含まれるたんぱく質と油が主な要因です。

これらの成分は加熱で蒸発し、冷えると再び凝縮して超微小粒子状物質の粒子になります。発生した粒子は非常に小さな油滴の形をしているため、空気中に長くとどまります。

室内の超微小粒子状物質、呼吸器だけでなく脳にも悪影響

超微小粒子状物質は、直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の非常に小さな粒子です。髪の毛の太さよりはるかに小さく、鼻や気管支で捕捉されにくいため、肺の奥深くまで入り込むことがあります。

その結果、気道粘膜が刺激され、喘息や肺疾患のリスクが高まります。超微小粒子状物質への長期曝露は、肺がんの発生リスクも押し上げます。世界保健機関(WHO)は、超微小粒子状物質を1級発がん物質に指定しています。

最近の研究では、室内調理で発生した超微小粒子状物質が脳の健康にも悪影響を及ぼすことが示されています。

疾病管理庁・国立保健研究院は、実験用マウスを対象に超微小粒子状物質の影響を調べました。その結果、曝露したマウスでは脳の一部に変化がみられ、記憶を担う部位である「海馬」の損傷が確認されました。

このマウスでは、空間を記憶する能力と環境の変化に気づく能力が、正常レベルより低いことが示されました。

神経細胞も影響を受けました。神経細胞同士の結びつきを助け、記憶を形成する役割を担うたんぱく質が減少したためです。神経細胞は電気・化学信号をやり取りしながら記憶を保存しますが、これを支えるたんぱく質が減ると、最終的に記憶力が低下します。

ただし、研究責任者のキム・ヨンヨル国立保健研究院 呼吸器アレルギー疾患研究課長は「動物モデル研究である以上、人体への影響がどの程度かは追加研究で検証する必要がある」と述べました。

室内調理後は換気・換気扇を必ず

疾病管理庁は今回の研究結果を踏まえ、室内空気質管理の重要性を改めて強調しました。室内の超微小粒子状物質を減らす対策が、認知症など退行性脳疾患のリスクを下げる予防戦略になり得る、という説明です。

焼く・揚げる調理を行う際は、キッチンの換気設備(換気フード)を必ず作動させる必要があります。換気フードがない場合、超微小粒子状物質の数値が最大10倍まで上がることがあります。調理後も少なくとも30分以上は換気フードの作動を続けるのが安全です。

換気フードの作動と同時に窓を開け、自然換気も併用するのが最も理想的です。窓を全開にするのが難しい場合でも、少しでも開けておくほうが望ましいでしょう。

調理習慣そのものを見直すことも重要です。食材を高温で焼くときは、クッキングシートやフライパンのふたで覆って調理してください。揚げ物をする際は、材料が油に完全に浸かるように調理すると、空気中に油滴が飛散するのを一部抑えることができます。

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