「肝がんの女性患者が多すぎる」…酒は控えめなのに、なぜ

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肝がんは酒が原因? 慢性B型・C型肝炎が70%以上を占める

酒をあまり飲まない女性の肝がん患者が多い背景には、B型肝炎やC型肝炎、代謝異常脂肪肝があるとみられます。写真=クリップアートコリア

肝がんはいまも「酒が原因」と考える人がいます。飲酒がリスク要因であるのは確かですが、肝がんの原因の中心は慢性B型肝炎やC型肝炎ウイルスで、70%以上を占めています。アルコール(酒)関連の肝がんは15~16%です。近年増えている要因として、代謝異常(非アルコール)脂肪肝関連の肝がんが約12%あります。高脂肪・高炭水化物の食事摂取による脂肪肝が原因となり、がんが生じます。女性の肝がん患者は、年間で約4,000人発生しています。

年間の女性肝がん患者が4,000人に迫る…酒は控えめなのに、なぜ?

今年1月に発表された国家がん登録統計では、肝がんの新規患者は男女合計で1万4,707人(2023年)でした。全がんの順位では7位です。男性患者が1万875人だった一方、女性患者も3,832人に上りました。年齢別では、60代が30.7%、70代が25.1%、80代以上が18.8%の順でした。相対的に酒をあまり飲まない女性患者が多いのは、B型肝炎やC型肝炎、代謝異常脂肪肝が関係しているためとみられます。

B型肝炎ワクチンを打ち忘れて…肝がん?

中年以降の世代では、現在のようにB型肝炎ワクチン接種が義務ではなかったため、抗体を持たない人が少なくありません。B型肝炎関連の肝がんは59.7%(2022年)を占めています。まだワクチンが開発されていないC型肝炎関連の肝がんは約10%です。アルコール(酒)関連の肝がんは15.8%、高カロリー・高脂肪・高炭水化物の摂取による代謝異常脂肪肝関連の肝がんは11.8%でした。酒を飲まなくても肝がんになる可能性があります。肝がんは死亡率が高い病気です。働き盛りの50代では、がん死亡原因の1位を占めています。

肝臓は痛くても沈黙…症状は?

肝臓は、障害が進んでも症状が出にくい臓器です。肝がんも同様です。肝臓がある右上腹部の痛みや、しこりがあるような感覚がある場合、がんがかなり進行しているケースがあります。腹部膨満感、体重減少、強い倦怠感、消化不良などもみられます。肝硬変の患者では、目や顔色が変わる黄疸や、腹水が強くなることもあります。肝がんの死亡率が高いのは、症状が乏しく発見が遅れやすいためです。転移している例が多く、手術ができない状態で見つかることもあります。

定期検診が必要、食事も節制を…肝がん予防に良いことは?

B型・C型肝炎、肝硬変、代謝異常脂肪肝、酒を多く飲む人は、症状がなくても6カ月ごとに定期検診を受けることが重要です。まず腹部超音波検査、アルファフェトプロテイン検査(AFP)を行います。B型肝炎ワクチンを接種していない人は早めに接種し、代謝異常脂肪肝の予防・管理のために高脂肪・高カロリーの食品と炭水化物(パン、麺、白米など)を減らし、運動するのが望ましいでしょう。体重の約5%を減らすだけでも肝機能の数値が改善するという研究結果があります。

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