9回妊娠しても、一度も出産に至らず――健康な31歳女性に何が?

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自然流産6回、胎児の異常による妊娠中断3回――検査で3番・13番染色体の構造変化が判明

妊婦が医師に相談している。中国で9回妊娠しながら出産に至らなかった31歳の女性に、染色体の構造異常が見つかった。写真は記事の内容とは関係ありません。写真=ゲッティイメージズ

31歳の女性が9回妊娠しながら、一度も出産に至りませんでした。6回は妊娠初期に流産し、3回は胎児に重い異常が見つかり、妊娠を中断しました。夫婦ともに特に健康上の問題はありませんでしたが、染色体検査で思いがけない手がかりが見つかりました。

中国・甘粛省婦幼保健院の出生前診断センターに所属する葛婷婷氏らの研究チームは、この症例を21日、国際学術誌《Frontiers in Genetics》に発表しました。

6回の流産、3回は胎児の異常――繰り返された妊娠の中断

女性は9回とも自然妊娠でした。最初の4回は、妊娠10週より前に胎児の発育が止まり、流産しました。

中国で9回妊娠しながら出産に至らなかった31歳女性の、5回目の妊娠時の胎児超音波画像。妊娠12週の検査で、全前脳胞症(左)と嚢胞性リンパ管腫(右)が確認された。写真=葛氏ら研究チーム・《Frontiers in Genetics》(2026年)、CC BY 4.0

2021年の5回目の妊娠では、妊娠12週の超音波検査で重い胎児奇形が見つかりました。脳の前方部分が正常に左右へ分かれない「全前脳胞症」と、首の周囲にリンパ液がたまり、嚢胞状に膨らむ「嚢胞性リンパ管腫」です。胎児には全身のむくみもありました。女性は最終的に妊娠を中断しました。

6回目と7回目の妊娠も、妊娠10週より前に流産しました。

2023年の8回目の妊娠では、胎児の首に嚢胞ができ、心臓の構造にも異常が見つかりました。妊娠15週には、胸の中に液体がたまる胸水も確認されました。

医療チームが胎児の染色体を調べると、3番染色体の一部が通常より多く、13番染色体の一部が欠けていました。

続いて両親の染色体を調べました。夫には異常が見つかりませんでしたが、女性では3番染色体と13番染色体の一部が入れ替わっていました。

2024年の9回目の妊娠でも、同様のことが起きました。妊娠12週に胎児の脳の発達異常、首の周囲の嚢胞、全身のむくみが見つかりました。妊娠を中断した後に遺伝子検査を行うと、8回目の胎児と似た染色体異常が確認されました。

母親は健康なのに、なぜ胎児に異常が起きたのか

女性に見つかった染色体の変化は、「均衡型転座」です。

人の染色体は通常、23対、計46本あります。均衡型転座とは、異なる染色体の一部が入れ替わっているものの、遺伝物質の総量には大きな変化がない状態を指します。

均衡型転座があっても、症状がなく健康に過ごす人がいます。ただし、卵子が作られる際には事情が異なります。染色体が分かれる過程で、一部の遺伝物質が多すぎたり、足りなかったりする卵子ができる可能性があるためです。そうした卵子が受精すると、胎児の発育に問題が生じることがあります。

9回妊娠しながら出産に至らなかった31歳女性の染色体検査画像。矢印は、3番染色体と13番染色体の一部が入れ替わった「均衡型転座」の部位を示す。写真=葛氏ら研究チーム・《Frontiers in Genetics》(2026年)、CC BY 4.0

実際に、最後の2回の妊娠では、胎児の3番染色体の一部が重複し、13番染色体の一部が欠失していました。

特に、欠失した13番染色体の領域には、胎児の初期の脳発達に重要な「ZIC2」遺伝子が含まれていました。この遺伝子の機能が不足すると、脳の前方部分が正常に分かれない全前脳胞症が生じる可能性があります。

研究チームは、この染色体異常によって、胎児に繰り返し見られた重い発達上の問題を説明できると考えています。ただし、それ以前の6回の自然流産では胎児の遺伝子検査を行っていません。すべての流産が同じ原因で起きたと断定することはできません。

流産を繰り返す場合は、染色体検査も検討を

流産を繰り返す人すべてに、染色体の問題があるわけではありません。

流産の原因はさまざまです。ただ、複数回流産した場合や、胎児に重い奇形が見つかった場合は、遺伝的な原因を調べる必要があります。

両親のいずれかに均衡型転座が確認された場合は、遺伝カウンセリングを通じて、次の妊娠に伴うリスクを評価できます。体外受精で得られた胚について、子宮に移植する前に染色体の構造を調べる方法も検討できます。ただし、こうした検査や治療によって、必ず流産を防げる、あるいは健康な子どもの出産が保証されるわけではありません。

研究チームは、反復流産の原因を早期に見つけて遺伝カウンセリングを受けることが、夫婦が次の妊娠のリスクを理解し、適切な計画を立てる助けになるとしています。

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