
同じ運動でも、実施する時間帯によって血糖値のコントロールや睡眠への影響が変わる場合があります。朝の運動は1日の始まりに体を目覚めさせるのに役立つ一方、午後や夜は身体機能が活発になり、運動パフォーマンスが高まる可能性があります。
ただ、朝と夜のどちらが一律に優れているとは言い切れません。健康状態や運動の目的によって適した時間帯は異なります。米国心臓協会(American Heart Association・AHA)は、継続して実践できる時間帯を見つけて習慣化することが重要だとしています。
血糖値のコントロールが難しい人に夜の運動が有利な理由
身体活動量を増やしながら血糖値も管理したい場合、夜の運動が効果的な選択肢になります。過体重または肥満の人が夜に運動すると血糖値を効果的に管理できるとする研究結果が、国際学術誌 《Obesity》 に掲載されています。
研究チームは、△1日の総運動量の50%以上を午前に行った「朝グループ」 △正午から午後6時まで運動した「午後グループ」 △午後6時から深夜0時まで運動した「夜グループ」 △運動しない「非活動グループ」に分けて分析しました。その結果、夜グループは非活動グループに比べ、1日の血糖値が有意に低下しました。この傾向は、血糖値のコントロールが難しい肥満の参加者でより顕著でした。
就寝が遅い人は、午後のほうが運動効率が高い

運動パフォーマンスの面でも、午後の運動は効率が高い傾向があります。時間の経過とともに体温が上がると、筋肉の動きがよりスムーズになります。
米ハーバード大学(Harvard University)とスイス・バーゼル大学(University of Basel)の共同研究で63本の研究を分析した結果、筋力とジャンプは13~20時に、握力は14~19時に最高値でした。
特に、就寝が遅く起床も遅いパターンの人は、午後以降に運動すると身体能力を十分に発揮しやすいとされています。英バーミンガム大学(University of Birmingham)の研究チームが睡眠習慣に応じた効率的な運動時間帯を分析したところ、夜型の人は朝に運動すると、かえって効率が低下しました。
では、朝の運動が向くのはどのような人でしょうか。目的がダイエットの人です。夜間に空腹状態が続いている分、脂肪をエネルギー源として使う割合が高まり、効率よく減量できます。
ただし、糖尿病の患者は空腹時に運動すると低血糖が起こる可能性があります。血圧が高い人は、朝に運動すると交感神経が活性化して血圧が上がり、心血管系の負担が増えるおそれがあります。
