「私も母になれますか」――30年にわたり答えは一貫して「可能」

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サムスンソウル病院、弁膜症の妊婦138人の妊娠・出産記録を分析 真の危険サインは別にあった

生まれたばかりの赤ちゃんを見つめる母親。サムスンソウル病院の研究チームが弁膜症の妊婦138人の妊娠・出産記録を30年間追跡した結果、死亡は0人、流産・死産は5件(3.6%)にとどまったことが分かりました。 写真=ゲッティイメージバンク
生まれたばかりの赤ちゃんを見つめる母親。サムスンソウル病院の研究チームが弁膜症の妊婦138人の妊娠・出産記録を30年間追跡した結果、死亡は0人、流産・死産は5件(3.6%)にとどまったことが分かりました。 写真=ゲッティイメージバンク

心臓の弁膜症がある女性にとって、妊娠はリスクを伴う大きな決断です。胎児に必要な血液を送るため、妊娠中は血液量が増え、心拍数も上がります。弁が狭くなっていたり逆流があったりすると、増えた血流を支えきれず、心不全――心臓が全身に必要な血液を十分に送り出せない状態――につながり得ます。医療者も家族も、妊娠をためらいなく勧めにくかった背景には、こうした事情があります。

サムスンソウル病院のパク・ソンジ イメージングセンタ長(循環器授)、オスヨン モア集中治療センター長(産婦人科授)、カンブクサムスン病院 循環器内科のシンヘヨン授でつくる究チムは22日、弁膜症の妊婦に関する妊娠出産の究結果を表しました。究チムは、1994年12月から2023年6月までに同病院で妊娠・出産管理を受けた弁膜症の妊婦138人の記録を分析し、、その内容を大韓医学会誌(JKMS)最新号載しました。

妊婦の年齢は29歳から35歳(中央値32歳)に集中しており、弁膜症の重症度は軽症46人(33.3%)、中等症67人(48.6%)、重症25人(18.1%)でした。中等症以上が全体の半数を超えました。この期間、サムスンソウル病院で治療を受けた弁膜症の妊婦で死亡した例は1件もありませんでした。流産・死産も5件(3.6%)にとどまり、妊娠37週未満の早産は18人(13%)で、新生児集中治療室(NICU)での治療が必要だった赤ちゃんも15人(11.3%)でした。

予後を左右したのは、弁の重症度だけではありませんでした。弁膜症が重いほどリスクが高まる傾向はあったものの、見かけの重症度だけでは危険度を適切に見極めにくいことが示されました。

具体的には、2つのサインが有意でした。妊娠初期から、階段を上る程度の活動だけでも息切れしたり、疲れやすかったりする状態、そして妊娠前に急性心不全で入院したことがあるかどうかです。この2条件に当てはまると、合併症リスクは最大で6倍を超えて跳ね上がりました。つまり「弁がどれほど傷んでいるか」よりも、「いま心臓が実際にどれほど踏ん張れているか」のほうが、はるかに正確なサインでした。

写真=サムスンソウル病院
写真=サムスンソウル病院

オ・スヨン教授は「心疾患のある妊婦が安全に妊娠・出産するためには、産科的な管理だけでは十分ではありません」と指摘し、「患者さんの機能状態と心不全の既往を反映した精密なリスク評価、そして循環器内科と産婦人科が一緒に行う多職種連携(協診)が何より重要です」と述べました。

ただし、確認しておくべき点があります。今回の研究に含まれた妊婦は、比較的若い層でした。統計庁によると、2025年時点で国内の妊婦の平均出産年齢は33.8歳です。第1子に限っても33.2歳で、すでに本研究の中央値(32歳)を上回っています。35歳以上の高齢妊婦が出産した赤ちゃんの割合も、全体の37.3%まで増えました。この論文は、年齢そのものを独立したリスク要因としては分析していません。高齢妊婦の個別リスクは、この結果だけでは判断しにくく、主治医との相談を通じて確認する必要があります。

心臓弁膜症の重症度が高いほど、妊婦の予後が悪化する可能性が大きくなることが示されました。一方で、妊娠初期の心機能の状態(NYHAクラス2以上)や、妊娠前の急性心不全による入院歴などの予後予測因子に基づいて多職種でのアプローチが行われれば、妊婦と赤ちゃんの健康を守れる可能性も高まります。AI活用で制作 インフォグラフィック=サムスンソウル病院
心臓弁膜症の重症度が高いほど、妊婦の予後が悪化する可能性が大きくなることが示されました。一方で、妊娠初期の心機能の状態(NYHAクラス2以上)や、妊娠前の急性心不全による入院歴などの予後予測因子に基づいて多職種でのアプローチが行われれば、妊婦と赤ちゃんの健康を守れる可能性も高まります。AI活用で制作 インフォグラフィック=サムスンソウル病院

今回の結果は、弁膜症のある女性が妊娠を計画する際、産婦人科より先に循環器内科で機能状態と心不全の既往を点検すべきことを示唆しています。パク・ソンジ教授は「今回の研究は、サムスンソウル病院が30年にわたり蓄積してきた心臓―産科の協診経験をデータで裏付けた結果です」とした上で、「今後、韓国型のリスク予測モデルと個別化した管理戦略を整備するうえで重要な根拠になると期待しています」と語りました。

研究チームは、弁膜症の妊婦にとって妊娠と出産はそれ自体が挑戦であるのは事実だが、不可能なことではない点を伝えたいとの趣旨を明らかにしました。

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