膝の痛みを年齢のせいにしない 我慢を続けると「歩く日常」まで崩れる

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ナヌリ病院のムン・ソンチョル院長「できるだけ長く自分の関節を健康に使えるよう支える」

階段を上りながら膝の痛みを感じる女性。変形性関節症は歩行や日常生活を難しくすることがあり、症状が続く場合は受診が必要です。写真=ゲッティイメージバンク

階段を下りるたびに膝がズキズキしても、「年を取ったからだろう」と受け流してしまう人は少なくありません。痛みのために歩行や外出を避けると、太ももの筋力が落ち、日常生活の能力も一緒に低下するおそれがあります。膝の痛みを無条件に年齢のせいにせず、いまの膝の機能と治療の必要性を確認したいところです。

高齢でも手術の対象外とは限らない

最近は70〜80代はもちろん、90歳以上でも全身の健康状態と手術リスクを評価したうえで、関節治療や人工関節手術を行うことがあります。かつては「年齢が高いのだから我慢して暮らすべきだ」「人工関節はできるだけ遅くすべきだ」という見方が根強くありましたが、いまは年齢だけで治療を先送りせず、患者の健康状態と機能を併せて見て治療の可否を判断する流れが定着しつつあります。

ナヌリ病院 関節センターのムン・ソンチョル院長は、こうした変化について、患者に向き合う姿勢の問題だと指摘します。ムン院長は15日、「変形性関節症は単に年を取って生じる病気ではなく、患者の活動性と生活の質を大きく低下させる病気です」と述べ、「いまは年齢だけで治療を諦める時代ではなく、患者の健康状態と症状を総合的に評価し、最も適した治療を選ぶ時代です」と話しました。

X線より重視すべき指標がある

変形性関節症は通常、X線検査で1〜4段階に分類しますが、医療機関では段階だけで手術の可否を決めません。同じ末期(4期)の判定でも痛みなく日常生活を送れる患者がいる一方、3期でも歩くことすらつらい患者がいるためです。この場合、損傷範囲が膝の一部に限局しているか、下肢アライメント(脚の配列)や靱帯の状態がどうかが重要な判断基準になります。条件が合えば、骨切り術(曲がった脚の骨を切って角度を矯正する手術)や部分人工関節など、自分の関節をできるだけ温存する治療を検討できます。逆に損傷が広く、痛みと機能低下が強い場合は人工関節全置換術を考慮します。

ただし、MRIなどの画像検査をすべての患者に繰り返し行うわけではありません。症状が急に悪化したり、膝が熱を持って腫れるなど非典型的な様相を示したり、X線だけでは説明できない損傷が疑われる場合に、MRIで残存する軟骨や半月板(膝の中で衝撃を吸収する半月形の軟骨)、滑膜(関節を包み、潤滑液を作る薄い膜)の状態を追加で確認します。

ムン・ソンチョル院長の学歴と経歴 画像=ナヌリ病院

ムン院長は「変形性関節症はX線で見える段階より、患者の痛みと機能低下の程度のほうが重要です」と述べ、「治療は画像ではなく患者を見て決めるべきです」と強調しました。

人工関節は長持ちするが「生涯保証」ではない

こうして検査と診断を経て人工関節手術を行うと決めた場合、次に気になるのは耐用年数です。手術をためらわせる最大の理由も、まさにこの不安です。

研究を総合すると、人工関節は手術から10年後でも10人中9人以上が再手術なしで問題なく使用しています。韓国の医学学術誌に掲載された総説論文(複数の研究結果を集めて整理した論文)は、韓国人患者の10年生存率が94.7%で、西洋人(94.8%)と差がないと示しました。英国の大規模な人工関節登録データでも、10年生存率は96.7%でした。ただし、期間が長くなるほど生存率は徐々に低下し、複数国のデータを集めた国際研究では25年が経過すると生存率が82%台に下がりました。ここでいう生存率とは、人工関節が体内にそのまま残っているという意味ではなく、再手術なしで持ちこたえているという意味です。

ムン院長は「現在の人工関節は10年生存率が95〜98%に達します」と述べ、「特に60歳以上の患者であれば、漠然とした恐怖で治療の時期を逃すより、適切な時期に治療を受けることが、むしろ健康寿命を延ばす道になり得ます」と語りました。

手術前にもできること

ただし、治療の目標は手術だけではありません。太ももの筋力トレーニングや、歩行・室内自転車・水中運動など患者に合った運動は、痛みを減らし関節機能を保つのに役立ちます。過体重や肥満がある場合は、体重を減らすだけでも膝への負担が大きく減ります。膝を過度に曲げる生活習慣を改め、継続的にストレッチする習慣も膝を守る一助になります。運動後の痛みや腫れが長く続く場合は、強度や方法を調整する必要があります。

ムン院長は「変形性関節症の治療は人工関節を早く入れることではなく、できるだけ長く自分の関節を健康に使えるよう支えるプロセスです」と述べ、「必要なときは適切な手術も積極的に行い、患者が長く歩き、長く自立した生活を維持できるようにすることが、いまの関節治療で最も重要な目標です」と話しました。

膝の痛みを年齢のせいにしてやり過ごすのではなく、いま自分の膝が発しているサインを丁寧に見直したいところです。

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