
「病院に行くと血圧がすごく高く出るんです。診察室に入った途端、どうしてあんなに胸がドキドキするのか⋯。」
健康情報を共有するオンラインコミュニティでは、こうした悩みを訴える人が少なくない。普段は血圧が正常でも、病院で医師の白衣を見るだけで緊張し、血圧が一時的に上がる「白衣高血圧(white coat hypertension)」の症状だ。
医師の白衣だけでなく、病院で行われるさまざまな診療場面が緊張やストレスを引き起こし得る。なかでも、病院での体重測定が、一時的な血圧上昇の要因になり得るという新たな研究結果が報告された。
英国のマンチェスター大学とリーズ大学、米国のノースカロライナ大学(UNC)などの共同研究チームは、病院での体重測定が血圧に及ぼす影響を調べるため、学部生190人を対象に模擬的な診療環境下で実験を行った。研究チームは医療環境に近いキャンパス内の実験室を用意し、白い医師用ガウンを着用したうえで、学生の血圧と体重を測定した。
実験の結果、体重計に乗った後に血圧を測定した学生は血圧が高い状態が続いた一方、血圧を測定した後に体重を測った学生では血圧が低下した。この傾向は、研究者が体重を測定した場合でも、参加者自身が体重を測った場合でも同様に認められた。今回の研究は、米国心理学会が発行する学術誌 《Stigma and Health》 に掲載された。
研究チームは「体重測定は患者にとって、心理的負担やスティグマを感じさせる検査になり得る」とし、「患者のストレスを減らせる医療体験を提供するため、血圧と体重の両方を測る必要がある診療場面では、血圧を先に測定するなど順序を調整してみるのも一つの方法だ」と述べた。
白衣高血圧が頻繁に起こって悩んでいる場合は、受診時に自宅で家庭用血圧計で測定した記録を持参し、医療者に相談してみるのもよい。血圧を測る前に5〜10分ほど座って休み、気持ちを落ち着かせたり、横になって測定したりすることも役立つ可能性がある。
