寝だめでも「睡眠負債」は完済できず 専門家が勧める回復法

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概日リズムが乱れると平日の再適応が一段と困難に…午後1〜4時の「30分昼寝」が最善

不足した睡眠時間を補うために週末に寝だめしても、睡眠負債(Sleep debt)は解消されません。写真=ゲッティイメージズバンク
不足した睡眠時間を補うために週末に寝だめしても、睡眠負債(Sleep debt)は解消されません。写真=ゲッティイメージズバンク

熱帯夜で寝苦しく、出勤のために早起きした平日の朝。海外旅行から戻った後、時差ぼけに慣れず眠れなかった夜。

夏場はとりわけ睡眠不足に悩まされる日が増えています。こうした中、平日に足りなかった睡眠を週末や休暇に「寝だめ」して取り戻そうとする人も少なくありません。 

では、不足した睡眠をわずか数日で補うことは本当に可能なのでしょうか。

睡眠医学の専門家は「難しい」と指摘します。週末や休暇に時間を確保して寝だめしても、睡眠負債(Sleep debt)をすべて返済することはできません。

パク・チャンスン大韓睡眠学会会長(カトリック大学・聖ビンセンテ病院教授)は「週末に不足した睡眠を補うことは、ある程度は助けになるかもしれませんが、長期的な解決策にはなりません」と述べました。その上で「睡眠を補おうとして特定の日に過度に長くまとめて寝ると睡眠リズムが乱れ、1〜2日後に再び普段の就寝・起床時間へ戻さなければならないため、かえって睡眠への適応が難しくなることがあります」と警鐘を鳴らしました。 

「睡眠の借金」とも呼ばれる睡眠負債とは、起きている時間を踏まえた適切な睡眠時間と、実際に眠った時間との差を指します。試験や業務で徹夜をしたり、暑さで寝つけなかったりするなど、さまざまな理由で夜間の睡眠が減ると、睡眠負債は徐々に増えていきます。  

睡眠が不足すると、身体の回復や記憶形成、脳の老廃物除去の過程などに関わる徐波睡眠の段階や、感情調整と情動記憶の処理などに関与するレム睡眠の段階を十分に確保できない可能性があります。睡眠不足が繰り返されると、集中力や判断力といった認知機能が低下し、ホルモンや代謝・免疫機能にも変化が生じ得ます。

週末に睡眠時間を十分に補えば、疲労感や気分など、睡眠不足で低下した一部の機能が改善することはあります。

ただし、数日間に蓄積した睡眠負債を完全に回復するのは難しいのです。 睡眠負債は、足りなかった時間の分だけ後から長く寝たとしても、不足分がそのまま相殺されるわけではありません。例えば、2時間睡眠が足りなかった場合でも、その後に2時間多く寝たからといって、睡眠不足が認知機能や代謝・免疫機能に及ぼした影響が補われるわけではありません。

特に、普段より極端に遅く寝て遅く起きると、体内時計に当たる概日リズム(Circadian rhythm)に問題が生じる可能性があります。つまり、平日の睡眠パターンに適応するのが難しくなり得ます。 

睡眠心理療法士のヘザー・ダーウィル=スミスは著書『睡眠の科学』(シグマブックス、2022年)で、「横になって過ごす時間が長くなると水分補給の機会がそれだけ減るため、足りない睡眠を取り戻そうとして頭痛を招いたり、普段より体調が悪化したりすることがあります」と述べ、「睡眠負債を解決する最善の方法は、睡眠負債をそもそも作らないか、最小限に保つことです」と助言しています。 

結局のところ、睡眠負債をためないための睡眠ルーティンを作ることが最善です。体内時計の起床時間を混乱させないために就寝時間を前倒しし、普段どおりに起きて規則的な睡眠時間を確保するのが望ましいでしょう。 

短時間の昼寝が役立つこともありますが、タイミングが重要です。

ヘザー・ダーウィル=スミスは「睡眠負債を相殺する上で昼寝が助けになることはありますが、就寝時間が迫ったタイミングで昼寝をすると夜に寝つけなくなり、睡眠負債がかえって増えてしまいます」と述べ、「遅すぎない午後の時間帯である1〜4時ごろに、30分以内の短い昼寝をすると、概日リズムの改善や再設定に役立つ可能性があります」と助言しました。 

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