
血糖値は食後に自然に上がりますが、急激な上昇が繰り返されると、糖尿病に加え心血管疾患のリスクも高まる可能性があります。食後は血液中のブドウ糖が増えるため、このタイミングで筋肉を動かしてブドウ糖の利用を増やすことが、血糖値の急上昇(血糖スパイク)を抑えるのに役立ちます。
食後の散歩を思い浮かべる人は多いものの、必ずしも運動着に着替えて外に出る必要はありません。短い筋力トレーニングや家事で食後の活動量を増やし、こまめに動いて長時間座り続ける時間を減らしたり、食べる順番を調整したりする小さな行動を続ければ、血糖管理に有利な生活パターンをつくれます。
食後「3分筋トレ」…短時間でも血糖は変わります
血糖管理では食後の散歩を勧めるケースが多い一方、最近は「短い筋力トレーニング」も有効な選択肢として広がっています。特に階段の上り下りは、太ももや臀部など大きな筋肉を短時間で使える点が利点です。筋肉は収縮する際にブドウ糖をエネルギー源として利用するため、食後に血糖値が上がる時間帯に体を動かすと、血液中のブドウ糖を処理するうえで有利になります。
米サンディエゴ州立大学の研究チームは、健康な成人を対象に、食後の階段の上り下りによる血糖値とインスリン反応を調べました。その結果、1分行うだけでも食後の血糖値とインスリン値が低下することが示されました。3分以上運動した場合は、インスリン感受性に関連する指標も改善しました。
このとき、運動強度は高くなくても効果が確認されました。参加者は、自分が心地よいと感じる速度で階段を上り下りしました。食後に息が上がるほど追い込むよりも、短時間でも大きな筋肉を動かすことが重要だということです。
このように、食後にエレベーターではなく「階段」を使うだけでも血糖管理に役立ちます。さらに、スクワットや椅子からの立ち座り、かかと上げなど、下肢の筋肉を使う動きを10回前後繰り返してみましょう。膝に不安がある場合は、その場足踏みのように負担の少ない動きから始めるのも方法です。

外に出られなくても大丈夫です…食器洗い・家事を続けて
梅雨の雨で外出をためらうことは少なくありません。その結果、食後すぐにソファに座ってテレビやスマートフォンを見がちです。そんなときは、食卓を片づけて食器洗いをしたり、床掃除や洗濯物の整理など、軽い活動でもしてみましょう。こうした家事は運動と感じないほど強度は低いものの、じっと座っているよりは血糖管理に有利です。
ポイントは、家事をすれば血糖値が下がるということではなく、食後すぐに座っている時間を減らし、体を動かすことにあります。食後に食卓の片づけ→食器洗い→キッチンの整理といった具合に複数の作業を続けると、10〜15分ほど自然に動き続けられます。洗濯物を干したり掃除機をかけたり、ゴミを捨てに行ったりするのも方法です。
特に夕食後はそのままソファやベッドに向かいやすいだけに、「食べたらすぐ座らない」というルールを決めておくとよいでしょう。散歩ができなかった日でも、食後の活動量を完全に0にせず、動き続けることがポイントです。
食べる順番を変えるだけでも効果…ビビンバでも具材から先に
運動と同じくらい重要なのが食べ方です。同じメニューでも「何から食べるか」によって、食後の血糖反応が変わる可能性があります。最近よく知られている方法は、野菜を先に食べ、たんぱく質のおかずを食べた後に、ご飯や麺などの炭水化物を最後に食べるやり方です。食物繊維が豊富な野菜とたんぱく質が先に胃に入ると、炭水化物の消化・吸収の速度が遅くなり、血糖値がゆっくり上がるのに役立ちます。
大韓糖尿病学会や複数の臨床研究でも、こうした食べる順番が食後血糖の上昇を緩やかにする方法として紹介されています。特に白米や麺をよく食べる人なら、すぐに実践できる血糖管理の習慣です。
韓国料理を食べるなら、最初の数口はナムル・きのこ・海藻といった野菜のおかずを食べ、続いて豆腐・卵・魚などのたんぱく質のおかずを食べた後に、ご飯を食べます。丼物やビビンバのように材料が混ざっている場合は、野菜や卵・肉などの具材を先に食べる形で応用できます。ただし、食べる順番が炭水化物の量そのものを相殺するわけではないため、ご飯や麺は適量にするのが望ましいです。

食後に運動しても座りっぱなしでは台無し?…短く、こまめに動く必要があります
食後に運動をしても、その後の数時間をほとんど動かず座って過ごすと、血糖管理には不利です。主にオフィス勤務の会社員にこうしたケースが多いですが、可能であればこまめに立ち上がり、連続して座っている時間を減らすことが重要です。
30分前後に1回、2〜5分ほど席を立って体を動かしてみましょう。水を飲みに行ったりトイレに行ったりし、電話中は短時間でもオフィス内を歩き、エレベーターを待つ間はかかとを上げ下げして脚の筋肉を動かすのです。自宅でも同様です。食後にテレビや動画を長く見るなら、1本を見ている間ずっと座り続けず、途中で家の中を1〜2周歩くといった形で動きましょう。