気分が悪いほど暴力ドラマに引き寄せられる?…『キム部長』・『真の教育』ヒットの裏にある心理

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「最近の大衆の怒りを反映」vs「大きく新しい流行ではない」…専門家の見立て割れる

(左から)SBSの金土ドラマ『キム部長』、Netflixオリジナルシリーズ『真の教育』のポスター。正義のためなら暴力もいとわないコンテンツの流行が熱を帯びています。写真=SBS・Netflix

SBSの金土ドラマ『キム部長』の勢いが止まりません。

ソ・ジソプ主演の『キム部長』は、“娘バカ”の父親が危険に陥った娘を探し出す復讐劇です。第8話が放送された今月18日、『キム部長』の視聴率は23.1%と自己最高を更新しました。これはSBS金土ドラマ歴代1位の『ペントハウス2』(29.2%)に次ぐ2番目の高記録で、先に第6話(22.3%)で打ち立てた自己最高を再び塗り替えた形です。

Netflixオリジナルドラマ『真の教育』も、この夏を熱くしました。Netflixが最近発表したところによると、『真の教育』は2026年上半期に世界のNetflix利用者が最も多く視聴したコンテンツの6位に入りました。

2作品の最大の共通点は、暴力を隠さない点です。『キム部長』では、娘を取り戻すという復讐の目的を果たすため、血が飛び散る場面がほぼ毎回登場します。頭皮をえぐり取るなど、「青少年観覧不可」等級の映画を思わせる身体損壊の描写も、容赦なく放送に乗りました。

『真の教育』も同様です。教育部傘下の「教権局」所属の主人公2人(キム・ムヨル、チン・ギジュ)は、生徒を正しく指導するという名目の下、暴力を無差別に用います。しまいには「ドラマが提示する『真の教育』とは、暴力を暴力で解決することなのか」という批判まで出ました。

『暴力もの全盛時代』…国民の怒りが高まっているから?

ソウル市江南区で精神科を開業しているA医師は、最近コメディドットコムのインタビューで興味深い研究結果を引用しました。コンテンツ利用者の感情がネガティブであるほど、憂うつでネガティブなコンテンツをより多く探して見るというのです。

A医師が引用した研究は、2025年1月にネイチャーの姉妹誌に掲載された心理学実験です。米スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、この実験で計1145人のインターネット利用習慣とメンタルヘルスの関係を調べました。

5日間、1日20分ずつ自由にインターネットを利用させた後、自己記入式アンケートでメンタルヘルスを評価した結果、インターネット上でネガティブな情報を多く見る参加者ほど、メンタルヘルスが悪いことが分かりました。

正反対の相関関係も観察されました。インターネットを見る前に気分を測定したところ、気分が悪いと答えた参加者ほど、ネガティブなウェブサイトを訪れる可能性が高まっていたのです。ネガティブな情報に触れて憂うつになると、再び気分を悪くするコンテンツに目が向く――一種の悪循環が見つかった形です。

A医師は「この実験の因果関係の検証は、まだ進行中だと理解しています」としつつ、「ただ、コンテンツ利用者の心理がネガティブであるほど、ネガティブで暴力的なコンテンツを選ぶ可能性が高いという点は、すでに多くの心理学者や精神科医が認めている事実です」と述べました。

さらに「非常に慎重に捉える必要はありますが、結局のところ大衆の嗜好は現在の心理状態を反映するものです」とした上で、「『キム部長』や『真の教育』のように暴力を前面に押し出したコンテンツの流行を、手放しで肯定的に見るのは難しい」と付け加えました。

「勧善懲悪・暴力ものの流行は最新トレンドではない」との反論も

一方、メディア専門家の見方は異なりました。暴力と正義の実現を前面に掲げた作品が人気を集める流れは、最近に限った現象ではないという説明です。

ユ・ギョンハン全北大学メディアコミュニケーション学科教授は「怒りや暴力を扱った作品が最近人気だと言われますが、個人的には同意しにくいです。現実への怒り、正義の実現への渇望は、人類の歴史を通じて最もよく売れたヒット商品ではないでしょうか。例えば『洪吉童伝』だけ見ても、共有される感情は似ています」と語りました。

ユ教授は「メディア環境が変わりました。もはやテレビで流されるドラマを視聴者が受動的に消費する時代ではありません。視聴者がNetflixなどのストリーミングサービスを使って積極的にコンテンツを探しに行く時代に、ヒットの理由を大衆の怒りに求めるのは、状況を過度に単純化するアプローチです」と分析しました。

ただ、こうした「正義の実現」型ドラマで視聴者が共感するポイントを的確に把握し、現実に反映していくことが各界の専門家の役割だとも指摘しました。

「『キム部長』と『真の教育』のヒット理由ですか。もともとよく売れるストーリーだからです。歴史的に最も刺さる感情ですよ。ただ、視聴者がどこに共感し、どこで代理満足を得ているのかに目を向ける必要があります。本当のカタルシスは、ドラマの主人公があれこれ殴り壊すのを見て感じるものではなく、ドラマで実現された正義が現実につながるときに得られるものです」

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