帯状疱疹は治ったのにピリピリ…原因は「脳」か

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仁済大・海雲台白病院、「帯状疱疹後神経痛」は痛み制御ネットワークの機能低下が背景

資料=海雲台白病院
資料=海雲台白病院

帯状疱疹の赤い発疹や水疱がすべて消えても、刃物で刺されるような、あるいは火傷のような激しい痛みが数カ月、さらには数年にわたって続くことがあります。いわゆる「帯状疱疹後神経痛」です。

仁済大学・海雲台白病院の麻酔疼痛医学科オ・デソク教授と神経内科パク・ガンミン教授の研究チームは、こうした患者の脳の構造的ネットワークが健常者とは異なる形に変化していることを、特殊な脳MRI解析で確認しました。触れただけでも飛び上がるほどの強い慢性痛の背景に、皮膚や末梢神経だけでなく「脳ネットワークの構造的変化」が関与している可能性があるということです。

医療現場ではこれまで、この病気を主に皮膚や末梢神経の損傷に伴う痛みとして捉えてきました。ただ、同じように帯状疱疹を発症しても、なぜ一部の患者だけ痛みが生涯続くのか、また患者ごとに痛みの現れ方がなぜ大きく異なるのかは、末梢神経の損傷だけでは説明が難しい面がありました。研究チームはこの点に着目し、慢性痛が脳の回路そのものを変化させた可能性があるとの仮説を立てました。

究チムは、帯状疱疹後神痛の患者42人と、年齢・性別が近い健常成人41人を対象に、「散テンソル像(DTI)MRI」を撮影しました。脳内の白質神線維の方向性や構造的な結合態を、脳内の白質神経線維の状態を詳しく解析できる手法です。

「健常者より脳の情報伝達効率も大きく低かった」

解析の結果、帯状疱疹後神経痛の患者では、健常者に比べて脳全体の情報伝達効率が大きく低下していました。脳領域間で情報をやり取りする「高速道路」に当たる結合経路がねじれ、長くなり、脳内で痛み信号を制御する効率が深刻に落ちていたといいます。

特に、痛みを抑制・調整する脳の中枢制御センターとされる両側の「尾状核」で、ネットワークの中継指標が著しく低下していました。脳の痛み調節システムが構造的に損なわれていることを示す所見です。さらに研究チームは、痛みの強度が強いほど脳ネットワークのゆがみも強まるという関連性も実証しました。

麻酔疼痛医学科のオ・デソク教授は14日、「帯状疱疹後神経痛は患者の生活の質を無残に崩す厄介な慢性疾患です」とした上で、「今回の研究は、この痛みが単に末梢神経の痛みにとどまらず、脳の構造的ネットワークが変化してしまった『慢性の脳疾患』の一種である可能性を示す強力な根拠を提示しました」と話しました。神経内科のパク・ガンミン教授も「明日から直ちに診断や治療法が変わるわけではありませんが、慢性神経痛を客観的に診断できる『脳ベースのバイオマーカー(指標)』を見いだした点は大きな収穫です」と述べ、「今後は長期追跡研究を通じて、患者に合わせた治療戦略や痛み予測システムの開発につなげていきます」と語りました。

研究成果は、脳神経画像分野の国際学術誌「Brain Topography」の最新号(2026年39巻3号)に掲載されました。

左から麻酔疼痛医学科のオ・デソク教授、神経内科のパク・ガンミン教授。写真=海雲台白病院
左から麻酔疼痛医学科のオ・デソク教授、神経内科のパク・ガンミン教授。写真=海雲台白病院

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