タンパク尿を減らした「ボイザクト」、腎機能も2年間維持

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第3相試験でeGFRはプラセボ群が年4.2低下、投与群は実質維持…FDAの正式承認への切り替えを推進

IgA腎症は、異常なIgA抗体が腎臓に蓄積して腎機能を低下させる慢性の免疫疾患です。大塚製薬の「ボイザクト」は第3相試験で、患者の腎機能を2年間にわたり実質的に維持したことが示されました。写真=ゲティイメージバンク
IgA腎症は、異常なIgA抗体が腎臓に蓄積して腎機能を低下させる慢性の免疫疾患です。大塚製薬の「ボイザクト」は第3相試験で、患者の腎機能を2年間にわたり実質的に維持したことが示されました。写真=ゲティイメージバンク

腎機能が持続的に低下し、透析や腎移植に至る可能性がある免疫グロブリンA腎症(IgA腎症)で、疾患の進行抑制を示唆する長期臨床結果大塚製の「ボイザクト」は2年間にわたり腎機能を実質的に維持し、タンパク尿の減少にとどまらない長期的な腎保護の可能性を示しました。

大塚製薬が最近、国際糸球体疾患学術大会「グロムコン・ハワイ2026」で公表した第3相試験「ビジョナリー(VISIONARY)」の結果では、ボイザクト(VOYXACT・一般名シベフレンリマブ)投与群の年平均推算糸球体濾過量(eGFR)は2年間で0.3mL/min/1.73㎡増加しました。一方、プラセボ群は毎年4.2mL/min/1.73㎡ずつ低下しました。eGFRは、腎臓が血液中の老廃物をどの程度うまく濾過できているかを示す代表的な腎機能指標です。

治療2年目に、研究開始時点と比べたeGFRの変化をみると、ボイザクト群は1.3mL/min/1.73㎡増加したのに対し、プラセボ群は7.9mL/min/1.73㎡低下しました。国際腎臓病ガイドライン策定機関(KDIGO)は、IgA腎症の治療目標としてタンパク尿を低下させることに加え、腎機能低下の速度を、多くの成人で生理的な加齢レベルである年間1mL/min未満に抑えることを掲げています。今回の結果は、ボイザクト投与群の腎機能が2年間、この範囲内で維持されたことを意味します。

ただし、腎機能が回復したと断定するのは時期早です。ボイザクト群の年間eGFR変化にする95%信頼区間は、-0.4〜0.9mL/min/1.73㎡でした。大塚製薬も今回の結果を、腎機能の「回復」ではなく「維持」と位置づけました。長期的に透析や移植のリスクをどの程度下げるかは追加の察が必要ですが、急速に化し得る疾患の進行速度を、通常の加レベルまで低下させた点で意義は大きいといえます。

IgA腎症は、異常な免疫グロブリンA抗体が、血液を濾過する腎臓の糸球体に蓄積し、炎症や組織障害を引き起こす慢性免疫疾患です。血尿やタンパク尿で見つかることが多く、若年成人にも発症します。血圧とタンパク尿をコントロールする治療を受けても、一部の患者では腎機能が低下し続けることがあるため、疾患の原因に直接作用し、腎臓を長期に保護できる治療薬が求められていました。

ボイザクトは、特定のB細胞の生存と抗体産生を助けるシグナルタンパク質「APRIL」を選択的に阻害するモノクローナル抗体です。疾患を引き起こす異常IgA抗体の産生を減らす仕組みで、4週ごとに400mgを皮下注射します。米食品医薬品局(FDA)は昨年11月、9カ月治療後にタンパク尿をプラセボより51.2%減少させた結果を根拠に、ボイザクトを迅速承認しました。当時は長期的な腎機能保護効果が確立していませんでしたが、今回の2年結果がそれを裏付ける重要な根拠となりました。

安全性はプラセボと概ね同程度でした。治療関連有害事象の発現率はボイザクト群が約35%、プラセボ群が33%で、米国の承認資料で最も多かった有害事象は感染症と注射部位反応でした。大塚製薬は今回のデータをFDAに提出し、迅速承認を正式承認へ切り替えるとともに、既存のプレフィルドシリンジに加えてオートインジェクター製剤の承認取得も進める方針です。

ボイザクトの今年上半期の売上高は171億円(約1550億ウォン)と集計されました。大塚製薬は、想定より速い処方拡大を反映し、今年の通期売上見通しを250億円から600億円(約5430億ウォン)へと2倍以上引き上げました。

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