夜間に患者が急変したら?AIが一般病棟も常時モニタリング

| 入力:

漢陽大学病院、ソウルの上級総合病院で初めて全一般病床に導入…心拍数・呼吸数・酸素飽和度をリアルタイムで確認

イ・ヒョンジュン(左から5人目)漢陽大学病院長が6月26日、AI病床モニタリングシステム「シンク(thynC)」の運用開始式で、漢陽大学病院、デウン製薬、シアース関係者とともに記念のテープカットを行っている 写真=漢陽大学病院
イ・ヒョンジュン(左から5人目)漢陽大学病院長が6月26日、AI病床モニタリングシステム「シンク(thynC)」の運用開始式で、漢陽大学病院、デウン製薬、シアース関係者とともに記念のテープカットを行っている 写真=漢陽大学病院

入院患者や家族が不安を抱きやすいのは、医療スタッフが病室を離れている時間帯です。回診や定期測定の合間に容体が急変した場合、最初に異変に気づけるのは誰なのか――。漢陽大学病院が一般病床の全床に人工知能(AI)ベースの患者モニタリングシステムを導入・構築した背景には、こうした課題意識があります。

漢陽大学病院はデウン製薬とともに、特殊病床を除く一般病床の全床にAI病床モニタリングシステム「シンク(thynC)」の構築を完了したと29日、発表しました。病院は26日、本館3階のHYイウムホールで開所式を開き、システムの運用状況を共有しました。

シンクは、ウェアラブルセンサーで患者の主要なバイタルサインを確認するスマートモニタリングシステムです。心電図と心拍数、呼吸数、酸素飽和度などを、身体に傷をつけることなく測定します。収集したデータはAIがリアルタイムで解析します。異常の兆候を検知すると医療スタッフにアラームを送り、迅速な対応を支援します。

一般病室ではこれまで、医療スタッフが一定時間ごとに患者の状態を確認して記録する運用が一般的でした。直接観察が重要である一方、測定と測定の間に起きた変化を即座に捉えにくいという課題があります。24時間のモニタリングは、この空白を減らします。

患者側から見れば、集中治療室ではない一般病室でも、状態変化をよりきめ細かく見守れる環境が整ったことになります。特に高齢患者や基礎疾患のある患者では、呼吸数や酸素飽和度の変化が重要なサインになり得ます。小さな変化でも早期に確認できれば、必要な処置を前倒しできます。

シンクの心電図監視、心拍モニタリング、酸素飽和度測定など一部項目には、健康保険の療養給付が適用されます。患者がこのシステムを利用する場合、健康保険の適用範囲内で自己負担金が発生します。

AIが患者を診断したり、医療スタッフの代わりを務めたりするわけではありません。役割は補助に近いものです。医療スタッフが患者の状態変化をより早く把握し、実際に患者を確認したうえで必要な対応を判断できるよう支援する仕組みです。

シンクは、シアーステクノロジーが開発したAIベースの入院患者リアルタイムモニタリングシステムです。デウン製薬は2024年3月にシアーステクノロジーと国内病院向け供給契約を結んだ後、病院への供給を拡大してきました。漢陽大学病院の導入により、全国47の上級総合病院のうち、シンクを構築した病院は15施設に増えました。

病院におけるAI活用の領域も変わりつつあります。画像読影や診断補助にとどまらず、入院患者の状態変化を病棟でリアルタイムに確認する「患者安全管理」へと広がっています。上級総合病院は重症患者の比率が高いだけに、一般病室の安全網を広げる技術の重要性が増しています。

病院情報システム(HIS)と連携する点も特徴です。患者データを自動で記録・解析できれば、医療スタッフが手入力しなければならない業務が減ります。反復的な記録負担が軽くなれば、医療スタッフは患者観察と臨床判断により集中できます。

今後の課題は、設置病床の拡大にとどまりません。アラームが多すぎると医療スタッフが警告に慣れてしまう可能性があり、逆に異常信号を見落とせば患者安全の効果が薄れます。現場では、アラームの精度を高め、患者の状態に応じてどのアラームに優先して対応するかを精緻に定めることが重要です。

患者データの管理基準も課題です。ウェアラブルセンサーが24時間バイタルサインを収集する以上、個人情報保護とデータ管理の原則が明確でなければなりません。AIが医療スタッフに代わって診断するのではなく、医療スタッフがより早く把握し判断できるよう支援する補助ツールである点も、患者と家族に説明される必要があります。

イ・ヒョンジュン漢陽大学病院長が6月26日、AI病床モニタリングシステム「シンク(thynC)」開所式であいさつしている。写真=漢陽大学病院
イ・ヒョンジュン漢陽大学病院長が6月26日、AI病床モニタリングシステム「シンク(thynC)」開所式であいさつしている。写真=漢陽大学病院

イ・ヒョンジュン漢陽大学病院長は「今回のシンク導入は、患者安全強化に向けたスマート病院戦略の中核課題です」と述べ、「今後も先端デジタル医療技術を積極的に導入し、より安全で質の高い患者中心の医療サービスを提供していきます」と語りました。

イ・チャンジェ デウン製薬代表は「漢陽大学病院の事例は、上級総合病院においてAIモニタリングシステムが患者安全と医療効率を同時に高められることを示す道標です」としたうえで、「多様な医療機関との協力を通じて、シンクの適用範囲を拡大していきます」と述べました。

×