
「ママ、口が痛くてご飯が食べられない」
子どもがスプーンを置きます。口の中をのぞくと、舌の内側に小さな水疱ができています。手足も確認すると同じような発疹が見られます。手足口病の可能性があります。
手足口病は毎年6月ごろ、保育園や幼稚園で急速に広がりやすい感染症です。今年は拡大のペースがさらに速い状況です。6月第2週の0〜6歳の乳幼児の手足口病患者は、外来患者1,000人当たり12.8人で、1カ月で5.6倍に急増しました。

どこに水疱ができるのか
病名の通り、手、足、口に症状が出ます。
潜伏期間は3〜5日です。その後、微熱と咽頭痛が先に現れ、口腔粘膜に痛みを伴う水疱や潰瘍ができます。同時に手の甲・足の裏・臀部に赤い発疹が出ます。痛みが強いと唾液を飲み込めず、よだれが増えます。
水痘と混同する保護者も少なくありません。水痘は顔や体幹から発疹が始まり全身に広がり、かゆみが強いのが特徴です。手足口病は手足に発疹が集中し、かゆみより痛みが目立ちます。
多くは自然に治る
ソウル大学病院は26日、手足口病の多くが3〜7日で回復すると説明しています。子どもが最初の2日ほどつらそうにしても、その後は自然に改善するケースが大半だといいます。
ただし、口の中が痛くて食べるのを拒むと脱水につながります。辛いものや酸味のある食べ物は痛みを強めるため与えません。代わりに、冷ましておいた重湯・おかゆ、牛乳・ヨーグルトのようにやわらかく冷たいものを、少量ずつこまめに与えます。
ただ、8時間以上排尿がない、または泣いても涙が出ない場合は脱水のサインです。すぐに病院を受診します。
合併症はまれですが、注意すべき症状があります。高熱が続く、または繰り返す嘔吐、けいれん、意識低下がみられる場合は、直ちに救急外来を受診する必要があります。髄膜炎・脳炎・心筋炎に進展する可能性があるためです。
治っても終わりではない
手足口病にはワクチンも治療薬もありません。背景には理由があります。
手足口病を引き起こすウイルスは数十種類に上ります。あるウイルスに免疫ができても、別の種類に再び感染します。インフルエンザワクチンのように「これを狙う」と標的を絞り込みにくいということです。
治療薬も同様です。多くは1週間以内に自然に治る病気のため、製薬会社にとっては開発の動機が乏しいのです。
予防は手洗いが基本です。外出後、食事の前後、おむつ交換の後はその都度、流水と石けんで洗います。おもちゃやドアノブも消毒します。

ソウル大学病院小児青少年科のユン・ギウク教授は「手足口病が疑われる、または診断された場合は、感染力が弱まるまで保育園・幼稚園などの集団生活を中断することが、感染拡大を防ぐ最も効果的な方法です」と話しています。
症状が消えてもウイルスは残ります。便を通じて8週間以上排出されます。
子どもがすっかり治ったように見えても、おむつを替えたりトイレに行ったりした手が、おもちゃを介して別の子どもに触れてしまいます。登園を再開した後も手洗いを続けるべき理由です。
