「こうした薬」はグレープフルーツと併用しないで 頭痛・嘔吐、失神の恐れも

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甘酸っぱくほろ苦い“ウェルビーイング果実”グレープフルーツと相性の悪い薬

グレープフルーツは、比較的ほろ苦いホワイトグレープフルーツ(左)と、やや甘みの強いルビーグレープフルーツ(右)に大別されます。 写真=ゲティイメージバンク

グレープフルーツは、甘酸っぱさとほろ苦さが魅力の亜熱帯果実です。 やわらかな甘みの中に、ほのかな酸味と個性のある苦味が調和します。 過度ではない甘みと果実の香りから、絶妙なバランスと品格が感じられます。 果汁も豊富です。 低カロリーの果物で、ビタミンCやリコペン、フラボノイドなどの抗酸化成分も豊富に含まれ、体重や肌のケアに役立つウェルビーイング果実として人気があります。

日本で流通するグレープフルーツは、品質の良さで人気のイスラエル産、価格競争力のある南アフリカ共和国産、長年輸入されてきた米国産など、輸入品が大半を占めます。 最近は、済州島で栽培された国産グレープフルーツも市場に出回っています。 大きく見ると、比較的ほろ苦いホワイトグレープフルーツと、やや甘みの強いルビーグレープフルーツに分かれます。

英語圏では「グレープフルーツ(grapefruit)」と呼ばれます。 韓国でも米国産が初めて輸入された1980年代後半からしばらくはその名称で主に呼ばれていましたが、いつからか日本由来とみられる簡潔な呼称「ジャモン」として定着しました。 ブドウとは無関係なのに、英語でブドウを意味する「グレープ」と果物を意味する「フルーツ」を組み合わせた名称が付いたのは、実が枝にブドウの房のように、ぶら下がってまとまって実るためだといいます。

薬物代謝酵素の働きを阻害し、効き目・作用時間が異常化

ただし、持病のために医薬品を定期的に服用している人の一部は、グレープフルーツを避けた方がよい場合があります。 医薬品とグレープフルーツを一緒に摂取すると、体内で「グレープフルーツジュース効果(grapefruit juice effect)」または「グレープフルーツと薬物の相互作用(grapefruit–drug interactions)」と呼ばれる副作用が起き得るためです。 グレープフルーツに含まれる「フロクマリン(furocoumarins)」といった天然化学成分などが、一部の医薬品の代謝を妨げ、服用薬の効能が異常に増強したり、作用が長引いたりすることがあります。

フロクマリンは、体内で薬物を分解して排出する役割を担うシトクロムP450 3A4(CYP3A4)など、主要な薬物代謝酵素の働きを抑制します。 本来は必要な薬理作用を終えた後、酵素によって分解され、尿などとして排出されるべき医薬品成分が血中に残ると、さまざまな副作用が生じます。 医薬品の効き目が必要以上に強まったり、作用時間が長くなったりして、適切な管理が難しくなります。 主要な医薬品には、こうした作用に関する注意事項が記載され、患者に注意を促しています。

一部の降圧薬、抗不安薬…眠気・倦怠感を誘発

グレープフルーツと相互作用を起こす主な医薬品には、次のようなものがあります。 ニフェジピン、フェロジピンなどカルシウム拮抗薬系の高血圧治療薬が代表例です。 血圧が必要以上に下がると、脳や心臓など主要臓器への血流量が減ります。 このため、めまいや疲労感を覚えることがあり、頭痛、集中力低下、倦怠感、冷や汗、視界のかすみ、吐き気などの症状を伴う場合もあります。 重い場合は失神することもあり、こうした状態が続くとショックに陥ったり、主要臓器が損傷したりする可能性もあります。

ジアゼパム、トリアゾラム、ミダゾラムなど、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬も含まれます。 これらの成分が血中に必要以上の高濃度で、あるいは長期間残ると、過度の眠気やめまい、そして倦怠感が現れることがあります。 筋肉が弛緩したり、ふらついたりする場合もあり、突然の口渇や吃音症状、物忘れなどが出ることもあります。

脂質異常症治療薬、免疫抑制薬、抗生物質・抗真菌薬も…治療を妨げる恐れ

脂質異常症治療薬として多く処方されるシンバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンなどスタチン系薬剤も、グレープフルーツと相互反応します。 アミオダロン、ドロネダロンなど免疫抑制薬と、リスロマイシン、クラリスロマイシン、イトラコナゾールなどの抗生物質・抗真菌薬も含まれます。 薬剤がグレープフルーツと相互反応し、血中濃度や代謝速度に異常が生じると、副作用だけでなく、医療者が意図した効果を得にくくなる可能性があります。

勃起不全治療薬も対象…安全性・有効性の範囲を超える恐れ

注目すべき点は、バイアグラの成分であるシルデナフィルをはじめとする勃起不全治療薬も、グレープフルーツと相互反応して作用が増強したり、長引いたりする可能性があることです。 むしろそれを望み、意図的に相互反応を起こそうとする人がいるかもしれません。 しかし、これは体に予期せぬ副作用を引き起こす恐れがあるため避けるべきです。 医薬品は長期の臨床試験を通じて安全性と有効性を確認し、必要な効果を得つつ副作用を最小化するよう設計されているためです。

グレープフルーツと一部薬剤の相互作用による問題を防ぐには、医師や薬剤師に事前に相談するか、医薬品の容器、または薬局の服薬指導書に記載された内容を必ず確認する必要があります。 医薬品を服用している人は、グレープフルーツを過剰に摂取しないよう注意する必要もあります。

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