
暑い夏の日、冷凍庫にアイスクリームをたっぷり入れておくと気持ちまで心強くなります。特にカップ入りのアイスクリームは、容器ごと持ってスプーンですくって食べ、また戻しておくことが少なくありません。ところが数日後、ふたを開けると表面に白い霜がびっしり付いていたり、氷の粒が口に当たったりすることがあります。氷菓も、包装を開けたときに霜が付いていたり形が変わっていたりする場合があります。こんなとき、傷んでいないか、そのまま食べてよいのか迷うものです。霜の付いたアイスクリームは食べてもよいのか、捨てるべき状態なのかを見分けるポイントを整理します。
「霜」 なぜ付くのか…温度変化・水分移動が原因
アイスクリームは、微細な氷の結晶と脂肪、糖分、空気が均一に混ざっていることで、なめらかな食感になります。しかし、冷凍庫の扉を頻繁に開けたり、室温に長く出しておいたりすると、表面が溶けて再び凍る過程で氷の結晶が大きくなる「再結晶化」が起きます。これが繰り返されると食感が粗くなり、抜け出た水分が再び凍って白い霜や氷の結晶が生じることがあります。
冷凍食品を長く保存すると、食品中の水分が抜けて表面が乾き、組織が変化することがあります。これを「冷凍障害」または「冷凍焼け」と呼びます。抜け出た水分が冷たい表面で再び凍ると、白い霜や氷の結晶が現れることもあります。冷凍障害は保存中に起こる品質変化のため、霜が付いたという理由だけで食品が傷んだと断定することはできません。
アイスクリームは一般の加工食品と異なり、消費期限が別途表示されていません。食品医薬品安全処の現行 〈食品等の表示基準〉によると、アイスクリーム類と氷菓には消費期限の代わりに製造年月日を表示します。ただし、製造年月のみを表示することもできます。
そのため、開封したアイスクリームは表示された日付だけで可否を判断するのではなく、冷凍状態が適切に保たれていたか、霜がどの程度付いているか、流れるほど溶けてから再冷凍された形跡があるかなど、「実際の保存状態」を併せて確認することが重要です。

薄い霜なら食べられるが 「保存状態」 が重要…溶けて流れた跡があれば廃棄
霜だけを見て、アイスクリームを食べてよいかどうかを決めることはできません。冷凍状態でも水分が移動したり温度が上下したりして霜が付くことがあるためです。カップ入りアイスクリームに薄い霜が少し付いていても、中までしっかり固く、室温に長く置いたことがなく、冷凍状態を保っていたのであれば食べられます。ただし、氷の結晶が大きくなることで、元より味や食感が著しく落ちる可能性があります。
一方、霜がひどかったり組織が大きく変わって食べにくいほどだったりする場合は、品質を考えて捨てた方がよいでしょう。アイスクリームが溶けて流れた後に再び固まった跡がはっきりしており、いつから保存していたのか思い出せない場合は、口にしない方が安全です。カップ入りアイスクリームの表面が大きくへこみ、氷の塊が製品全体に広がっている場合もこれに当たります。
包装を開けていない棒アイス、コーン、氷菓も同様です。中身が曲がったり平たくなったりして固まっている場合は、溶けてから再び凍ったと考えられます。大きな氷の塊が固まっている場合も、温度変化が大きかったサインです。
このように冷凍食品の包装に氷の結晶が付いている場合、長期保存されていたり、解凍後に再冷凍されて品質が落ちていたりする可能性が高いといえます。見た目だけで、どれほど溶けたのか、どれほど長く外に出ていたのかを判断することはできません。ただし、△停電や冷凍庫の故障があった △長時間の移動があった △長く室温に放置された △流通過程で溶けた可能性が疑われる △保存履歴を確認できない――といった場合は、外観やにおいに異常がなくても廃棄する方が安全です。

溶けたアイスクリームを再び凍らせる?…解凍中に微生物が増え、油断禁物
食品医薬品安全処によると、食品が室温で解凍された場合、先に溶けた表面が比較的高い温度に長くさらされ、微生物が増殖することがあります。特に、一度解凍した食品は再冷凍しないよう案内しています。冷凍状態では多くの微生物の増殖が抑えられますが、溶けた製品を再び凍らせても、すでに増殖した微生物のリスクが消えるわけではないためです。
特に、複数人がスプーンですくって食べるカップ入りアイスクリームは、手やスプーンを介して微生物が入り込む可能性があります。使ったスプーンを再び容器に入れたり、容器ごと室温に長く置いたりする行為は避けた方がよいでしょう。
いつから溶けていたのか思い出せない、あるいは保存状態が分からない製品も、廃棄した方が無難です。包装が破れて中身が漏れたり、ほかの食品に触れたりした場合も同様です。また、カビのように見える斑点がある、普段と違うにおいがする、といったときも表面だけを取り除かず、製品全体を捨てる必要があります。食中毒菌は、においや外観だけでは確認できない場合があります。「においが大丈夫」という理由で、長時間溶けていたアイスクリームを再冷凍して食べてはいけません。
食べる分だけ取り分けてすぐ冷凍…扉側より奥で保存
霜や再結晶化を減らすには、アイスクリームの温度変化を最小限にする必要があります。保存場所は、冷凍庫の扉側より奥が適しています。扉側は冷凍庫を開けるたびに暖かい空気に触れ、温度が上下しやすいためです。
大容量のアイスクリームは、容器ごと長く出しておかず、食べる分だけ素早く取り分けてすぐ冷凍庫に戻すのがよいでしょう。取り分けた後は表面を平らに整え、ふたをしっかり閉めて保存します。容器内の空間が大きくなり、空気に触れる面積が広がるほど水分が抜けて霜が付きやすくなるためです。残りが少ない場合は、小さな密閉容器に移し替えるのも方法です。