単なるむくみと思ったら…くっきり残る「靴下の跡」を見過ごせない理由

| 入力:

ナトリウム摂取を控え、ふくらはぎの筋力強化を

靴下の跡を減らすには、日頃からナトリウム摂取を控え、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのが有効です。写真=ゲッティイメージズバンク

夜遅くに帰宅して靴下を脱いだとき、足首にくっきり残った靴下の跡に気づいた経験はないでしょうか。よくある現象で、多くは心配いりません。ただ、場合によっては体の不調を知らせるサインになり得ます。

一般に、脚に跡が残ったからといって過度に恐れる必要はありません。現代人は座りっぱなし、立ちっぱなしで過ごす時間が長く、重力の影響で血液が脚にたまりやすいため、むくみは起こりやすいからです。家庭医療(ファミリーメディスン)専門医のブリンタ・バサガル氏はハフポストのインタビューで、「多くの人が座る、あるいは立って働く仕事環境にあるため、重力で血液が脚に集まるのは自然なことです」と説明しています。

一方で、靴下の跡が「いつもと違う」と感じる場合や、日常的な範囲を明らかに超えている場合は、背景に病気が隠れていないか確認が必要です。

正常範囲を超える脚のむくみ

靴下を履いていないのに目立って脚がむくんでいる、または脛骨(けいこつ)付近の皮膚を指で押したときに元の状態へすぐ戻らず、へこんだまま陥没している場合は注意が必要です。

単なる疲労ではなく、心臓・腎臓・肝臓の機能異常、あるいは静脈やリンパ節の障害による下肢浮腫の可能性があります。とくに、血液循環を担う心臓のポンプ機能が低下する心不全や、腎炎、腎不全などは、下肢浮腫を引き起こす代表的な疾患として挙げられます。脚の静脈の問題も、むくみの主要な原因の一つです。

左右非対称の靴下の跡

靴下の跡が左右非対称に現れた場合も、速やかな受診が勧められます。バサガル氏は「人体は本来、対称性とバランスを保とうとします。片脚だけに跡ができたり、片側だけがとくに深くへこんだりするなら、体のどこかに問題が起きている強いサインです」と指摘しました。

時間とともに悪化する場合

時間がたつほど靴下の跡が深くなる、長く残るなど、症状が徐々に悪化するのも危険信号です。腎疾患や心不全など重篤な病気の前触れである可能性があるためです。心不全が原因の場合、脚のむくみに加えて、普段から息切れがする、夜に仰向けで横になると寝つきにくいといった症状を伴うことがあります。バサガル氏は「体に現れる見慣れない変化は、いつでも専門家に相談すべきサインです」と述べ、脚のむくみとともに、頻繁なけいれん、皮膚色の変化、血管の突出などがみられる場合は、より精密な検査が必要だと助言しました。

ふくらはぎを動かし、ナトリウムを制限する

こうした下肢浮腫を予防・改善するには、生活習慣を根本から見直す必要があります。食習慣の面では、腎臓の健康を脅かし、むくみを悪化させるナトリウム摂取を適切に減らすことが大切です。

なかでも、「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を鍛えることが重要です。ふくらはぎの筋肉は、脚の下方にたまった血液を再び心臓へ力強く押し上げるポンプの役割を担います。ふくらはぎの筋肉が強くなると、むくみを根本的に予防し、血液循環を円滑にします。

また、長時間動かずに立ち続けたり座り続けたりすることは避け、ハイヒールや締め付けの強いボトムスではなく、底が柔らかく履きやすい靴と服装を選ぶのがよいでしょう。日常の中で1時間ごとに足首を回したり、公共交通機関の利用時に、つま先立ちをするふくらはぎ運動をこまめに行ったりするのも大きな助けになります。

×