
減量を決めたとき、真っ先に控えがちなのが炭水化物です。ご飯やパン、麺類を避ければ体重が落ちる――そんな認識が広く浸透しているためです。一定の効果は期待できますが、炭水化物は体が正常に働くために欠かせない栄養素でもあります。重要なのは、無条件に排除することではなく、どの炭水化物をどれくらい摂るかです。
◆ 炭水化物は体の主要なエネルギー源
炭水化物は、身体活動に必要なエネルギーを供給し、脳機能や免疫系を維持するうえで重要な役割を担います。摂取量が少なすぎると、疲れやすくなったり、集中力が落ちたり、気分が落ち込んだりすることがあります。
そのため、1日の総エネルギー摂取量の55~65%程度を炭水化物で補うのが適切です。穀類だけでなく、ジャガイモ、サツマイモ、果物、野菜なども炭水化物の供給源に含まれます。ただしダイエット中は、精製された炭水化物でできた白いパン、白米、小麦粉の麺を減らすのが望ましいでしょう。

◆ 炭水化物制限だけでは体重管理に限界
短期間での体重減少を目標にする場合、炭水化物の摂取を減らすと早く効果を実感しやすいです。ただしこの過程には、体脂肪の減少だけでなく体内の水分変化も影響します。長期的に健康的な体重管理を行うには、特定の栄養素を断つよりも、総摂取カロリーを調整することが重要です。
◆ 食物繊維が豊富な炭水化物に注目
野菜や果物、全粒穀物などに豊富な食物繊維は、満腹感を高めて食べ過ぎを防ぐのに役立ちます。また、かさの割にカロリーが低く、体重管理に有利です。特にオーツ麦やリンゴに多い食物繊維はコレステロールを減らし、心臓病や脳卒中など心血管疾患のリスクを下げます。
ただし、慢性腎臓病がある人は、食物繊維の摂取を増やす際に注意が必要です。一部の野菜や果物はカリウム含有量が高く、腎機能が低下している人では問題になることがあるためです。腎疾患がある場合は、食事調整の前に必ず医療者や栄養の専門家に相談するのが望ましいでしょう。
