
「体に問題がないのに、どうしてうまくいかないんだろう?」性生活を始めて間もない20代男性の間で、こうした悩みが増えている。かつては中高年の疾患と考えられていた勃起不全が、近年は20〜30代でも珍しくなくなり、医学的関心も高まっている。
米メディア「ニューヨーク・ポスト」によると、24歳の男性ハーラン・ランドールは21歳で初めて性交を試みたが、勃起不全を経験した。彼は「本当に動揺して、恥ずかしかった」と語った。
ランドールはポルノ視聴と自慰の頻度を減らし、治療薬も併用した。心理的に安心できる関係を築く中で、症状は改善した。彼は「体が壊れていたのではなく、心がつながっていなかっただけだ」と語った。
米国では18〜24歳男性の勃起不全有病率が17.9%
ランドールのようなケースは珍しくない。⟪Journal of Sexual Medicine(性医学ジャーナル)⟫に掲載された最新研究によると、米国の18〜24歳男性の勃起不全有病率は19%、25〜34歳は13%だった。別の人口ベース解析では、40歳未満男性の勃起不全有病率は約10%程度と報告されている。
若年男性を対象としたレビュー論文では、軽症例を含めると最大20〜30%が経験し得ると分析された。総合すると、10代から30代までの若年層における勃起不全の発生率は、臨床的におおむね10〜15%の範囲と評価される。
実際に、泌尿器科医やセックスセラピストは、20〜30代の受診が着実に増えており、10代後半でも相談が続いていると説明する。
日本でも勃起不全は中高年に多い疾患だ。患者数は約200万人以上と推定される。日本性機能学会などの関連調査によれば、40歳以上の男性のおよそ半数が、程度の差はあれ勃起不全を経験すると報告されている。
年齢が上がるほど有病率は高くなり、年代別では40代33%、50代59%、60代80%、70代以上82%と、高齢層で高い割合を示す。近年は日本でも、若年層で勃起不全の患者が増える傾向が観察されている。
若年層の勃起不全…ストレスと不安、ポルノの影響も
中高年では、勃起不全の原因が比較的はっきりしていることが多い。肥満、糖尿病、高血圧、心血管疾患などの基礎疾患や薬剤内服が陰茎の血流を低下させ、テストステロン低値が性欲や性機能に影響する。喫煙や飲酒、食習慣も重要な要因となる。
一方、若年の患者群では、検査で明確な異常が見つからないことが少なくない。専門家は、この年代にみられる勃起不全の相当部分が、ストレスや不安に基づく心因性の問題だと指摘している。
勃起は、副交感神経系が活性化して血管が拡張し、血流が増える過程で起こる。緊張するとアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、勃起の維持が難しくなる。1回の失敗体験が、繰り返すパフォーマンス不安につながりやすい。
ポルノやソーシャルメディアへの曝露も、影響因子として挙げられる。18〜25歳の若者の半数以上が定期的にポルノを視聴しており、相当数が思春期にそれに触れている。
専門家によれば、誇張された刺激や非現実的なパフォーマンス基準が、実際の場面での緊張を高める可能性がある。1人のときや朝は正常に勃起できても、実際の性交ではうまくいかないケースがこれに当たる。
隠すより相談する男性も増えている
近年は、勃起不全に対する社会的認識の変化も目立つ。オンライン情報や治療へのアクセスが広がり、症状を隠すより相談しようとする若い男性が増える傾向にある。
バイアグラ、シアリスなど治療薬へのアクセスが容易になったことも影響しているとみられる。医療者は、薬だけで解決しようとするのではなく、原因を見極めるプロセスが必要だと強調する。
