「重度の難聴があると認知症リスクが最大5倍まで急増」…近視で「眼鏡」をかけるように、補聴器の適切な装用が重要

| 入力:

[K-ベスト病院リーダーの健康学]イ・サンドク ハナ耳鼻咽喉科病院 院長

ハナ耳鼻咽喉科病院のイ・サンドク院長は「難聴があるなら、不便でも必ず補聴器を装用することで認知症リスクを下げられます」と語った。写真=ハナ耳鼻咽喉科病院
ハナ耳鼻咽喉科病院のイ・サンドク院長は「難聴があるなら、不便でも必ず補聴器を装用することで認知症リスクを下げられます」と語った。写真=ハナ耳鼻咽喉科病院

一般に「耳がよく聞こえない」というと、加齢による自然な化や、なる不便さとして見過ごされがちだ。だが、イサンドク ハナ耳鼻咽喉科病院 院長は「脳の健康に影響を及ぼす重要な問題」だと警鐘を鳴らす。に音が聞こえにくいだけにとどまらず、生活の質を大きく損ない、さらには「認知症」の引き金になり得るという。

同院長はコメディドットコムのインタビューで、「難が始まると、私たちのは音を解するために、普段よりはるかに多くのエネルギを消費するようになります」と明した。

「耳がよく聞こえないと、脳は聞こえない音の片をつなぎ合わせるために、膨大なエネルギを使います。本は記憶や思考、判に使うべきエネルギを、聞き取ることに使い切ってしまうのです。これが繰り返されると、の認知機能は急速に低下していきます」

難聴と認知症の連は、すでにさまざまな究で示されている。米ジョンズホプキンス大のフランク・R・リン授の究によれば、度難は認知症の症率を2倍、中等度難聴3倍、重度難聴5倍まで高めることが示された。

同院長は「音の刺激が脳かないと、聴覚を担うの部位が萎縮します」としたうえで、「この部位は記憶や感情を担う部位と密接につながっているため、結果として全般的な機能低下や社的孤立、うつへとつながる循環を生みます」と付け加えた。

多くの患者が補聴器の装用をためらう理由は、「年寄りに見える」という社的な視線だ。しかし同院長は、補器を視力が落ちたときにかける眼鏡と同じ「然の補助具」として捉えるべきだと助言する。

「医学的には、40dB以上の聴力低下がある中等度難から補器の装用をめます。ただ、値以上に重要なのは、ご本人が感じる『社的な不便さ』です。議や集まりで何度も聞き返してしまう、相手の言葉がもごもごして聞こえて話の流れを逃し始めた――そうであれば、すでに補聴器が必要なタイミングです」

補聴器は、に音を大きくする装置ではない。継続的な音刺激をえることで聴覚の退行を防ぎ、認知機能を保つ「のトレニング機器」としての役割も担う。

同院長は「アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が仕事の率を落とすなら、難は高期の尊である『認知機能の低下につながります』。風邪の後に色い鼻水が2週間以上続くときに副鼻腔炎を疑うように、話が以前と違うと感じたら、ためらわず耳鼻咽喉科などのを受診してほしい」と調した。

身近な疾患の中では、睡眠時無呼吸症候群も難聴と並んで認知症リスクを高める要因としてげられる。深い睡眠中に、脳内の老物(アミロイドβなどの認知症誘発物質)が洗い流される必要があるが、睡眠時無呼吸で何度も目がめると、この洗プロセスが十分に行われなくなる。

「睡眠時無呼吸症候群は、単なるいびきではありません。眠っている間、私たちの体が晩何十回も窒息態にるのと同じです。この過程で体の酸素濃度が下がると、心は不足した酸素を供給しようとして無理にポンプ機能をかせ、高血卒中のリスクも3~4倍に高まります」

ハナ耳鼻咽喉科病院では、年間700件を超える睡眠ポリグラフ検査を施している。患者は院の睡眠センタで一晩眠り、睡眠ポリグラフ査を受ける。査で睡眠習慣や態を確認した後、適切な方が行われる。

同院長は、現代人を悩ませる代表的な耳の疾患である「良性作性頭位めまい症(BPPV)」についても助言した。BPPVは、朝起きるときに世界がぐるぐる回るような強いめまいを引き起こし、再率は30~50%に達する。

同院長は「BPPVは『耳の骨粗しょう症』とも呼ばれます」とし、「普段から耳石をしっかり保ち、所定の位置にとどまらせる習慣を続けることが大切です」と明した。

「耳石は、もともと耳の中にあるカルシウムの粒です。加齢や疲、ビタミンD不足で耳石が弱くなると、位置から外れやすくなります。病院で『耳石置換法』によって耳石を元の位置に戻すと、90%以上がその場で改善しますが、日頃の生活習慣の管理ができていないと、いつでも再び外れてしまいます」

BPPVの再発予防には、ビタミンDの摂取と適度な屋外活動が望ましい。また、就時に頭の位置を心より少し高く保つことも役立つ。

アレルギー性鼻炎の患者がえる春を迎え、同院長は鼻炎をく考えるべきではないと指摘した。放置すると副鼻腔炎や中耳炎へとつながる「連鎖反」を起こし得るという。

「『鼻炎は手術しても治らない』という言葉は、半分だけ正しい話です。アレルギー性鼻炎は体質的要因が大きいため、『完治』よりも症のない態を維持することが目標になります。手術はアレルギをなくすのではなく、くなった鼻腔をげる『構造の改善』です」

手術後、鼻づまりは大きく改善するが、くしゃみや鼻水といったアレルギーることがあるため、物療法を用する必要がある。

「治療は段階的に進めます。最も基本は、点鼻ステロイドスプレーや抗ヒスタミンなどの物療法です。免疫療法は3~5年かかりますが、体質そのものに働きかける根本治療に近い。加えて、生理食塩水を用いた鼻洗は副作用がほとんどない、最も良い管理法です」

×