
がん治療を終えて日常生活に戻った患者にとって、体重管理は新たな課題です。韓国の研究では、治療後に体重が増えた患者の10人に6人が、体重管理に苦労していることが分かりました。
サムスンソウル病院がん患者QOL研究所のシン・ドンウク教授とチェ・ヘリム教授ら家庭医学科の研究チームは20日、がん手術後2カ月から2年の再適応期にある患者2024人を対象に、体重の変化と管理の実態を調べた結果を公表しました。この研究は最近、国際学術誌《キャンサー・メディシン(Cancer Medicine)》に掲載されました。
がん診断前と比べて体重が減った患者は36.8%(744人)、大きな変化がなかった患者は48.9%(990人)でした。残る14.3%(290人)は体重が増えていました。増加傾向が目立ったのは、50歳未満の働く女性と、乳がん・婦人科がんの患者でした。
問題は、体重が増えた患者ほど管理に苦労していることです。体重管理が「うまくいかない」と答えた割合は、体重減少群で29.6%、維持群で30.1%だったのに対し、増加群では63.5%に上りました。年齢や併存疾患などを調整した分析でも、増加群の体重管理に関する未充足ニーズは維持群の3.4倍でした。
管理が難しい理由は、体重の変化によって異なりました。減少群では40.5%が「運動や食事の調整方法がよく分からない」と回答。一方、増加群では「食べる楽しみを諦めにくい」が40.2%で最多でした。続いて、「運動が嫌い」「管理方法が分からない」がそれぞれ26.6%、「治療・投薬の副作用」が23.9%でした。

研究チームは、体重が減った患者には適切な栄養・運動の情報を、増えた患者には食欲や食習慣を調整するための個別支援が必要だと説明しています。
実際、体重が増えた患者の54.8%は、モバイルアプリやオンラインサービスを利用した体重管理に参加したいと回答しました。また、約40%が地域の病院・診療所や、これまで治療を受けた病院の専門医療スタッフによる支援を希望しました。
チェ・ヘリム教授は「体重が増えたがんサバイバーは、見た目には順調に回復したように見えるため、診療現場であまり注意を向けられてきませんでした。しかし実際には、最も大きな困難を抱えていました」と指摘。「がん治療後の体重増加は、再発や二次がん、心血管・脳血管疾患のリスクを高める可能性があるため、治療が終わった時点から積極的に管理すべきです」と述べました。
さらに、「特に女性のがんサバイバーは、仕事と家庭生活を両立させながら病院のプログラムに継続して参加することが難しい場合が多く、デジタルを活用した管理が現実的な選択肢になり得ます」と付け加えました。
シン・ドンウク教授は、体重管理が難しい患者にとって、肥満治療薬も選択肢の一つになり得ると説明しました。
同教授は「グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬などの肥満治療薬が役立つ可能性があります」と述べ、「減量だけでなく、がんの予後改善の可能性を示す研究も出ているため、専門医に相談するとよいでしょう」と話しました。