
老化は避けられません。年齢を重ねる人にとっては自然な変化です。ただ、進むスピードを緩やかにすることはできます。目に見える顔のしわだけでなく、体の内側で起きる変化にも目を向ける必要があります。日焼け止めや美容施術で肌を守っても、体の中の健康管理を後回しにすれば、取り返しのつかない老化に直面しかねません。血管が傷み、がんなどさまざまな病気のリスクが高まります。病気で長く寝たきりになってしまったら、張りのある顔の肌に何の意味があるのでしょうか。
私は健康的に年を重ねているのでしょうか?
世界保健機関(WHO)は「健康な老化」について、「年齢を重ねても個人が機能的能力を維持すること」と定義しています。ここでいう機能的能力とは、単に病気がない状態ではありません。老化の過程で生じる身体的・精神的な機能低下を最小限に抑えることです。血管や関節の異常で日常生活が不便ならどうでしょうか。顔の肌がきれいでも、体の内側が病んでいれば健康寿命(健康長寿)は失われかねません。食習慣や運動などが最も重要です。
糖分の多い飲料・菓子を好むと老化が早まる可能性
脂っこい食事を控えていても、糖分の多い飲料や菓子を好んで摂ると老化が早まることがあります。糖分の多い食品は血糖値を急上昇させ、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)のリスクを高めます。心臓病や脳卒中(脳梗塞・脳出血)の出発点になり得ます。砂糖、はちみつ、あんこ、チョコレートのような甘い食品は、たいてい高カロリーで、ほかの栄養素が少ないのが特徴です。こうした食品を頻繁に食べると、栄養価の高い食品を食べる量が減り、栄養バランスが崩れる可能性があります。甘いものはできるだけ控えるのが望ましいでしょう。
体の筋肉が大きく減ると…老化が進みやすい理由は?
年齢を重ねると、筋肉量は自然に減っていきます。たんぱく質不足や運動不足が深刻だと、サルコペニアのリスクも高まります。これは日常の活動性を低下させます。動く量が減るため、老化も早まります。転倒リスクも上がります。筋肉の維持と合成のため、毎食ごとに良質なたんぱく質(赤身肉、魚、大豆類、豆腐、乳製品など)を十分に摂るのがよいでしょう。体重1kg当たり1.0~1.2gのたんぱく質摂取が必要です。特に、植物性と動物性のたんぱく質をバランスよく摂ることが効率的です。
体を動かさないと…脳機能、認知機能の低下も早まる
WHOは運動不足を、老化関連疾患の主要な危険因子とみています。継続的な身体活動は、年齢を重ねても機能的能力を維持するうえで非常に重要です。運動は高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)の管理に欠かせません。日常生活の活力を高め、認知症および認知機能低下を抑えるための最も重要な方法でもあります。また、身体活動は孤独感を和らげ、抑うつ感の軽減や生活の質の向上にも役立ちます。
体の酸化(老化)を抑える食品とは?
体の酸化(老化)を抑える抗酸化栄養素が豊富な野菜や果物を、こまめに食べるのがよいでしょう。玄米、麦、オーツ麦などの全粒穀物を選び、食物繊維とビタミンB群を十分に摂取します。健康的な脂質(不飽和脂肪酸)が豊富なナッツ類、えごま油、オリーブオイル、青魚(サバ、サーモンなど)を摂って、心血管の健康を守る必要があります。年齢を重ねると喉の渇きを感じにくくなります。体内の水分量が減り、脱水に弱くなることがあります。こまめに水を飲むことが大切です。