
私たちはよくこう言います。「今回の食事でタンパク質をあまり食べなかったから、次の食事で補えばいいだろう。」しかし、私たちの体はそのように計算しません。人体には、1日単位で栄養素を合算して精算する仕組みがないからです。朝に食べた食べ物は、その瞬間にすでに体の反応を決定します。昼食は朝食を補うことができず、夕食は昼の選択を覆すことができません。体が認識するのは1日の「合計」ではなく、その瞬間に血管の中に入ってきた栄養素の濃度と比率です。
食べ物が消化されて血管に入ると、タンパク質・炭水化物・脂肪の比率に応じてインスリンやグルカゴンのようなホルモンが合成分泌され、信号を送ります。そしてその信号は炎症を大きくするか、沈静化させるかの方向を決定します。この過程には「少し不足しているから後で補おう」という記憶装置がありません。体は食事ごとにただ1つの質問を投げかけます。今、血管の中に何が入ってきたのか。そして即座に答えを出します。その答えは保留や保存ではなく、方向の決定です。
この時に作動する信号物質(アラキドン酸とレゾルビン)は長く留まることはありません。ほんの一瞬現れては消えます。しかし、その短い瞬間にすでに免疫細胞の反応と代謝の方向は決まります。だから朝食の信号は朝にすでに終わります。昼食はそれをキャンセルすることができません。ただの新たな出来事に過ぎません。
例えば、朝に炭水化物を過剰に摂取してインスリン分泌が急激に増加すると、体は炎症の方向に傾きます。昼食にタンパク質を十分に食べたからといって、朝にすでに始まった信号が消えるわけではありません。このため、1日の平均栄養素摂取量という言葉は「体の言語」というより「計算機の言語」に近いです。体は平均を見ません。各食事を見ます。一食は、免疫や炎症の働きに影響を与える一つの選択のようなものです。1日はその票の平均ではなく、異なる出来事の連続です。
このように食事ごとに下される小さな決定は、通常即時の症状を作り出しません。痛みもなく、熱もなく、検査数値も正常範囲に留まることがあります。しかし、この微細な反応が繰り返されると、体の中では静かな変化が蓄積されます。外に現れないが、徐々に積み重なる状態、いわゆる「沈黙の炎症(silent inflammation)」です。この炎症は血管や肝臓、脂肪組織や筋肉、脳などの代謝器官全般に負担をかけます。その結果、インスリン抵抗性は深まり、血管は次第に硬化し、免疫反応はバランスを失います。糖尿病や肥満、高血圧、心血管疾患はある日突然発生するものではありません。このような静かな炎症(沈黙の炎症)の上に成長します。老化も単に時間が経過した結果というより、炎症が十分に消えないまま持続した生理状態と見ることができます。
結局、一食の食事はお腹を満たす行為ではありません。体の炎症スイッチをどちらに傾けるかを選択することです。そしてその選択は1日後ではなく、今、この瞬間に行われます。体は栄養素を集めて計算しません。入ってくる瞬間、すでに代謝の方向を決めてしまいます。したがって、私たちは一食の選択がまさに今の健康であり、老化の速度であることを認識し、毎食後のホルモン信号の重要性を忘れてはなりません。

