
体を洗ったり着替えたりしていると、すねや前腕に青紫のあざが目に入ることがあります。強くぶつけた覚えがないのに、あざを見て「いつできたのだろう?」と首をかしげる人も少なくありません。
あざは、皮膚の下にある細い血管が破れたり傷ついたりして生じます。血液が皮膚の下にたまり、青っぽく見えるためです。多くは日常の軽い衝撃がきっかけですが、血管が弱っていたり、止血の過程がスムーズに進まなかったりすると、あざができやすく、長く残ることがあります。
とくに、あざができやすい、あるいははっきりした理由がないのに繰り返す場合は、単に「よくぶつけるから」とは言い切れません。最近、運動量が増えたか、飲酒の頻度が高いか、特定の薬を服用しているか、果物や野菜を十分に取れているか――まずはこうした点を確認してみてください。意外なほど身近な変化が原因になっていることもあります。
運動・マッサージ・圧迫…「繰り返しの刺激」 が原因のことも
無理な運動の後にあざができた場合は、運動強度や体に加わった刺激を見直す必要があります。筋トレ、ピラティス、登山のように特定の筋肉を繰り返し使う運動は、筋肉周辺の細い血管に負担をかけることがあります。とくに強度を急に上げた、あるいは久しぶりに運動を始めた場合、太ももや腕、ふくらはぎなど、強く使った部位にあざが出ることもあります。
マッサージやフォームローラーの使用も例外ではありません。こわばった筋肉をほぐそうとして同じ部位を強く押したりこすったりすると、皮膚の下の血管が傷つくことがあります。重いバッグのストラップが肩を長時間圧迫したり、買い物袋の持ち手が手首の内側を強く押したりする場合も同様です。狭い部位に圧力が集中すると、強くぶつけなくても皮膚の下の細い血管が損傷し、あざができることがあります。
「飲酒・薬」 が原因であざができることも
以前よりあざができやすくなったと感じたら、服用中の薬や飲酒習慣も確認しましょう。あざは血管の損傷だけでなく、出血がどれだけ早く止まるかとも関係します。アスピリンや抗凝固薬は血液凝固の過程に影響する薬剤のため、服用している場合は小さな衝撃でもあざができやすく、長く残ることがあります。ステロイド系の薬を長期間使用しても、皮膚や血管が弱くなり、あざができる可能性が高まります。
飲酒も影響することがあります。過度の飲酒が繰り返されると、血小板機能や肝機能に負担がかかるためです。肝臓は血液凝固に必要なさまざまなタンパク質を作る臓器で、肝機能が低下すると、あざができやすくなり、回復が遅れることがあります。
果物・野菜をあまり食べていない?…「ビタミン C・K」 不足
ビタミンCは肌に良い栄養素として知られていますが、血管の健康とも密接に関係しています。体はビタミンCを使ってコラーゲンを作ります。コラーゲンは皮膚だけでなく、血管壁を支える役割も担っています。
セブランス健康情報は、ビタミンCが不足すると毛細血管が弱くなり、皮膚にあざや出血が現れることがあるとしています。歯ぐきから出血する場合もあります。あざは単に「皮膚が弱いから」できるのではなく、血管壁が弱くなった影響で起きている可能性があるということです。
ビタミンKも重要です。ビタミンKは、血液凝固に必要なタンパク質が適切に働くのを助ける栄養素です。不足すると、血管損傷後に出血が止まる過程がスムーズに進まず、あざが大きく見えたり長く残ったりすることがあります。ビタミンCが血管壁を丈夫に保つ役割を担うなら、ビタミンKは損傷した血管からの出血を止める過程を助ける、という位置づけです。
ビタミンCはキウイ・イチゴ・かんきつ類・パプリカ・ブロッコリーに多く、ビタミンKはホウレンソウ・レタス・ケール・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富です。普段こうした食品をあまり食べない食習慣が続いている場合、あざが増える原因の一つとして栄養素不足が考えられます。
年齢を重ねるほどあざができやすい理由
中年以降は、特別な病気がなくても、あざが以前よりできやすく、長く残ると感じることがあります。実際、年齢を重ねると皮膚が薄くなり、皮膚の下の脂肪層も減ります。その分、血管を守る力も弱まり、小さな衝撃でもあざができやすくなります。
とくに前腕や手の甲は、日常生活でぶつけやすい上、皮膚が薄く日光にさらされやすい部位です。紫外線に長くさらされると皮膚の弾力が低下し、血管周囲の組織も弱くなることがあります。このため、あざができると皮膚表面によりはっきり現れることがあります。
随伴症状・大きなあざが繰り返される場合は注意
あざは多くの場合、痛みが強くなく、時間の経過とともに色が薄くなって自然に消えます。あざが一つできたからといって、すぐに医療機関を受診する必要はありません。ただし、特別な衝撃がないのに大きなあざが繰り返しできる、あるいはあざが複数の部位に続けて現れる場合は、加齢のせいだと片づけないほうがよいでしょう。
鼻血・歯ぐきの出血・傷の止血遅延・月経過多といった症状が一緒に見られる場合は、受診を検討するのが望ましいです。また、腹部や背中、太ももの内側など、普段ぶつけにくい部位にあざが繰り返される場合は、原因を診断してもらう必要があります。