
最近、オンラインで「巨済ヤホ」という言葉が流行語のように広がっています。ガールズグループ「RESCENE(リセンヌ)」のメンバー、ウォニとミナミの会話から生まれたこの表現は、語感の良さも手伝ってYouTubeやSNSのアルゴリズムに乗り、急速に拡散しました。人気を追い風に、2人の巨済訪問映像はYouTube再生回数660万回を突破し、RESCENE(リセンヌ)が巨済市の広報大使に委嘱されることもありました。
ガールズグループのいたずらっぽい一言が、思いがけない地域PR効果を生んだ形です。「いったいどんな場所なのか?」という好奇心も重なり、巨済旅行は若い旅行者の間で口コミが広がっています。
軽い流行語として語られがちですが、巨済はもともと南海特有のエメラルド色の海と、岩礁の島々が織りなす景観で知られます。実際、巨済の各地では「巨済ヤホ」と思わず声が出るほどの美しい風景に出会えます。見渡す限りの南海を望める「風の丘」と、海上から壮大な奇岩絶壁に向き合う「海金剛遊覧船」のコースを紹介します。
エメラルド色の南海を一望…「風の丘」
南海を背景に“映え”写真を残したいなら、まず立ち寄りたいのが「風の丘」です。南部面トジャンポ村の北側に位置する、なだらかな丘で、もともとはチガヤに覆われた丘という意味の「ティバンヌル」と呼ばれていました。その後、2002年から現在の名称で知られるようになり、ドラマ『イヴの花園』『回転木馬』、映画『シュロの木の森』などのロケ地として使われました。人気バラエティー番組『1泊2日』にも登場し、巨済を代表する名所として定着しました。

芝生が広がる風の丘に上ると、トジャンポ沖の海と海岸線、行き交う遊覧船が一望できます。青い空と群青の海が接する美しい景色のおかげで、しばらく滞在して癒やしの時間を過ごすのにも向きます。丘の上に立つ大きな風車の前に立てば、特別な演出がなくても印象的な旅の写真を残せます。
規模が大きかったり華やかな施設があったりするわけではありませんが、胸がすっと開けるような開放感のある眺望が魅力です。南海ならではの空気感を直感的に味わえるため、巨済旅行の最初のコースとして申し分ありません。
一幅の水墨画…遊覧船で出会う「海金剛十字洞窟」
風の丘で“映え”写真を撮ったら、近くの船着き場から「海金剛遊覧船」に乗り、海の旅を続けてみてはいかがでしょうか。丘の上から眺めた南海とはまた違う躍動感を、船上で感じられます。海金剛は、海上にそびえる奇岩怪石と十字洞窟を抱く岩礁の島で、「海の金剛山のように美しい」という意味から名付けられました。実際、岩の絶景は墨で描いた一幅の水墨画のように静けさをたたえつつ、壮大な雰囲気を醸し出します。
とりわけ十字洞窟は、海金剛遊覧船コースで体験できる特別な見どころです。船が海金剛の岩の割れ目の中へ、ぎりぎりのところで進入します。途中で顔を上げて空を見上げると、岩の境界が十字形に裂けています。波と風がつくり出した神秘的な光景に向き合えば、この区間が遊覧船旅行の白眉とされる理由を実感できます。

また、コースによってはサジャ岩、ウジェ峰、シンソン台、タポ島一帯を巡り、巨済の海の絶景を堪能するのもよいでしょう。異国情緒ある庭園風景で知られる「外島ボタニア」への上陸観光も楽しめるため、希望する日程と運航コースを確認するのも一つの方法です。
ただし、風や波の状況によって運航の可否が変わることがあります。予約の前後に告知や現地案内を改めて確認してください。遊覧船は揺れがそれなりにあるため、革靴よりも歩きやすい靴を選ぶのが望ましいでしょう。船酔いが心配な場合は、乗船前の食べ過ぎを避け、酔い止め薬を事前に用意しておくと役立ちます。

カモメが集まってきますが、菓子を与えるのは要注意
巨済の遊覧船に乗ると、船の周囲にカモメが飛んでくる光景をよく目にします。このとき、近づいてきたカモメに菓子を与える行為はちょっとした体験のように感じられますが、注意が必要です。カモメは海や海岸に生息する野生の鳥で、人が食べる菓子やスナックに慣れると、自力で餌を探す習性が弱まります。また、菓子には塩分や調味成分が含まれており、野生動物に適した餌だとも言い難いです。
安全面の問題もあります。手に菓子を持ってカモメを近くに呼ぶと、鳥が指先に接近してけがをする可能性があるほか、衣服や荷物に排せつ物が付くといった不快な状況も起こり得ます。カモメを呼ぶよりも、できるだけ海の景色や海金剛の絶景を楽しむことに集中したいところです。