がんを攻撃する免疫細胞を患者の体内で作製 FDA、次世代CAR-Tの臨床試験を許可

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レジェンド・バイオテックのLB2501、CD19とCD20を同時標的に 中国の初期臨床試験では12人中5人が完全奏効

従来のCAR-T細胞療法(左)では、患者の免疫細胞を体外で加工してから再び投与します。生体内CAR-T細胞療法(右)では、遺伝子を運ぶベクターを投与し、体内で直接CAR-T細胞を作ります。画像=レジェンド・バイオテック

血液がんの治療に用いるCAR-T細胞療法では、患者から免疫細胞を取り出し、がん細胞を攻撃できるように改変してから体内に戻します。この複雑な製造工程を減らし、患者の体内で直接、がんを攻撃する免疫細胞を作る次世代の治療法が、米国でも臨床試験に進みます。

米国のレジェンド・バイオテックは15日(現地時間)、米食品医薬品局(FDA)が新たなCAR-T細胞療法「LB2501」の治験薬申請(IND)を受理し、米国で第1/2相試験を実施できるようになったと発表しました。対象は、従来の治療後に再発した、または治療に反応しないB細胞性非ホジキンリンパ腫などの血液がん患者です。

CAR-T細胞療法は、患者のT細胞に、がん細胞を認識して攻撃する能力を持たせる免疫療法です。従来はT細胞を体外に取り出して遺伝子を改変し、再び投与する必要がありました。一方、LB2501は遺伝子を運ぶレンチウイルスベクターを1回投与し、体内のT細胞を直接CAR-T細胞に変えます。レンチウイルスベクターは、ウイルスが遺伝子を運ぶ能力を利用しながら、自らは増殖できないようにした運搬体です。

LB2501は、がん細胞の表面にあるCD19とCD20というタンパク質を同時に標的とします。がん細胞が一方の標的を失っても、もう一方の標的を介して攻撃できる設計です。同社によると、この2つを標的とする生体内CAR-T細胞療法がFDAから臨床試験の実施を認められたのは初めてです。

レジェンド・バイオテックの生体内CAR-T細胞療法「LB2501」を投与した、中国の初期臨床試験における高用量群6人の腫瘍の変化。標的病変の大きさを示す指標は治療前から約77~98%減少し、5人が完全奏効(CR)、1人が部分奏効(PR)を示しました。画像=レジェンド・バイオテック

先行して中国で行われた初期臨床試験では、一部の患者で腫瘍の縮小や消失が確認されました。レジェンド・バイオテックが今年6月の欧州血液学会(EHA)で発表した第1相試験の結果によると、再発・難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫の患者12人中6人(50%)に客観的奏効が認められました。このうち5人(41.7%)は、検査でがんの徴候が確認されない完全奏効に達しました。

特に高用量を投与した6人は全員が治療に反応し、5人が完全奏効を示しました。一方、低用量群の6人には客観的奏効が認められませんでした。

従来のCAR-T細胞療法では、細胞を投与する前に「リンパ球除去化学療法」を行うのが一般的です。患者のリンパ球を減らし、新たに投与するCAR-T細胞が体内で増殖しやすくするための前処置です。今回のLB2501の試験では、この前処置を行わずに投与し、高用量群の6人全員でCAR-T細胞の増殖が確認されました。

安全性評価では、12人中11人(91.7%)にグレード3以上の有害事象が認められました。主なものは血球数の減少などです。薬剤との因果関係を問わず、治療中に生じた有害事象をすべて集計した結果です。

免疫細胞の活性化に伴って全身に炎症反応が起こるサイトカイン放出症候群(CRS)は、8人(66.7%)に認められました。いずれも軽度または中等度に当たるグレード1~2で、重度のグレード3以上はありませんでした。

ただし、試験に参加した患者は12人にとどまります。高用量群の追跡期間も中央値で2.3カ月と短く、完全奏効がどれほど続くのか、従来のCAR-T細胞療法より有効性や安全性が優れているのかについては、さらなる研究が必要です。

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