
血糖管理が必要な人は、起床後に「何を」「いつ」食べるかを意識するとよいでしょう。食事の時間と内容を適切に整えることで、血糖値をより安定して保つ助けになります。
朝食を抜くと高血糖リスクが1.3倍に
まず、血糖管理で朝食が重視される理由です。朝食を抜いたまま昼食を一気に食べると空腹時間が長くなり、食後血糖が急上昇しやすくなります。
国際学術誌《BMC Public Health》には、朝食をとらない習慣のある19~44歳の成人で、高血糖リスクが1.3倍増加したとする研究結果も掲載されています。
朝食を継続的に抜く習慣は、健康の土台となる筋肉にも悪影響を及ぼします。筋肉は加齢とともに自然に減少します。筋肉が不足した状態が続くと基礎代謝量が低下し、太りやすくなって体力が落ちるおそれがあります。
特に体が弱りやすい時期である中年期には、卵、豆腐、豆類などのたんぱく質食品で朝食をとると、満腹感が長く続き、筋肉量の維持に役立つ可能性があります。
朝食の時間は一定に保つ
では、朝食は何時に食べるのがよいのでしょうか。特定の時刻を絶対的な基準にする必要はありませんが、血糖管理が必要なら午前8時30分より前に朝食をとることが有益かもしれません。
米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部(Northwestern University Feinberg School of Medicine)の研究チームは、朝食の時間と血糖値の関係を分析しました。その結果、午前8時30分より前に朝食をとった人は、血糖値とインスリン抵抗性が低い傾向を示しました。研究は、米国国民健康栄養調査に参加した1万570人余りを対象に行われました。
ただし、糖尿病薬を服用している、またはインスリン治療を受けている場合は、食事時間を自己判断で変えるより、医療者の指示に従うほうが安全です。
朝食の時間を一定に保つ工夫も欠かせません。体内時計はホルモン分泌、消化、エネルギー代謝などに影響します。食事時間が一定だと空腹が訪れるタイミングを予測しやすくなります。食べ過ぎや間食の誘惑を減らすうえでも有利です。
栄養密度の高い食品で朝食を組み立てる
朝食は手の込んだ内容でなくてもかまいません。 卵、ブロッコリー、全粒穀物、ナッツ類など栄養密度の高い食材を選べば、血糖値を安定して管理し、全身の健康維持に役立ちます。卵にはたんぱく質、コリン、ビタミンB12などが多く、筋肉量の維持や脳組織の保護に寄与します。ブロッコリーは食物繊維に加え、骨の健康に有益なカルシウムとビタミンKが豊富です。
一方、白米で作ったご飯やおかゆ、ドーナツ、ベーグル、加糖シリアルなど、精製炭水化物の多い食品は朝食メニューとして望ましくありません。糖分の多い食品は食後血糖を急速に上げてから下げ、長期的には代謝の健康に負担をかけます。飽和脂肪やナトリウム含量が高い食品も、肥満や心血管疾患の原因になり得るため、できるだけ避けたいところです。
〈3行まとめ〉
✔ 朝食を抜くと食後血糖が急上昇しやすくなり、筋肉量の維持にも悪影響を及ぼす
✔ 午前8時30分より前に朝食をとると、血糖値とインスリン抵抗性が低いとの報告がある
✔ 朝食は白米・ベーグルなど精製炭水化物の多い食品を避け、卵・ブロッコリー・全粒穀物など栄養密度の高い食品を選ぶ
