
小児がんを乗り越え、再びサッカー選手という夢に挑戦する子どものエピソードが伝えられ、スポーツファンの胸を打っている。
19日午後7時、水原ワールドカップ競技場では特別な親善試合が行われた。イングランド・プレミアリーグの名門クラブ「マンチェスター・ユナイテッド(マンU)」でプレーし引退した選手たちが、Kリーグ「水原サムスン」の元選手たちと対戦したのだ。
パク・チソンはもちろん、彼とともにマンUの黄金期を築いたパトリス・エブラ、リオ・ファーディナンド、ライアン・ギグスらがそろって出場すると伝えられ、大きな注目を集めた。水原側も、イ・ウンジェ、ソン・ジョングク、ヨム・ギフン、チョ・ウォニら、代表歴があり水原サムスンでもプレーした選手が出場した。こうした期待感から、試合当日は3万8027人もの観衆がスタジアムに足を運んだ。
国内外のサッカーファンの視線が一点に集まるなか、前後半の間のハーフタイムに、少年とチャ・ボムグン元水原サムスン監督が登場した。主役は、ユース年代でのサッカー生活の途中に小児がんの闘病を経験したキム・チャンユ選手だ。
母親は「(チャンユが)急性リンパ性白血病と診断されました。生死をさまよう長い闘病で学校生活に適応するのが難しく、足首の痛みも強くて、マッサージをしないと眠れないほどでした」とし、「それでも1日4〜5時間サッカーをして体力を取り戻しました。現在は完治しています」と説明した。
こうしたエピソードを持つキム選手に対し、チャ・ボムグン元監督は自ら「OGFC(元マンU所属の引退選手が所属するチーム)」のユニフォームを着せ、名誉入団式を行った。その後、チャ元監督がパスしたボールをキム選手がシュートするパフォーマンスを披露し、後半開始直前にはキム選手がOGFCの選手たちを次々とかわしてゴールを決める場面もあった。OGFCと水原サムスンの両サポーターも、この瞬間ばかりは「キム・チャンユ」を連呼し、一つになった。

一堂に会すること自体が難しい「レジェンド」選手たちが出場する豪華な試合の最中に、このような心温まるイベントが行われたのは、YouTubeチャンネル「シュート・フォー・ラブ(Shoot for Love)」が今回の親善試合を主催したためだ。
シュート・フォー・ラブは20日現在、登録者179万人を抱えるサッカー界を代表するYouTubeチャンネルだが、その始まりは小児がんの子どもたちを支援するキャンペーンだった。ソウル市のソーシャル企業「ビー・カインド」が、サッカーを愛する人々の気持ちを集めて子どもたちに届ける過程を収めた動画が話題となった。
2014年、シュート・フォー・ラブは全国各地に簡易ゴールを設置し、市民にPKを蹴ってもらい、成功するたびに支援金を積み立てる形式のチャレンジを実施した。これが口コミで広がり、韓国籍のサッカー選手が出演するようになり、キ・ソンヨンやソン・フンミンなど海外組の選手が外国人のチームメイトを指名することで、規模が拡大していった。
その後、シュート・フォー・ラブは2018年ロシアW杯のプロモーションなどを担当し、世界的な知名度を獲得。2024年からは各国の伝説的な引退選手を一堂に集め、チャリティーマッチを開催している。規模が大きくなった後も、「サッカーが好きなみんなが一緒に気持ちを集めれば、世界はきっと少しずつ変わる」とし、韓国白血病小児がん協会と共同で支援・寄付キャンペーンを継続しているほか、グッドネイバーズ、韓国小児がん財団などへ寄付金を届けたこともある。

キム・チャンユ選手の招待も、こうした流れの中で、これまでの闘病生活をねぎらい、これからのサッカー人生を応援したいという思いから企画された。シュート・フォー・ラブと共同で今回のイベントを主催した非営利団体「メイク・ア・ウィッシュ」のキム・ミナチーム長は、「難病と闘う子どもたちが、願いをかなえる体験を通じて病気に打ち勝つ勇気と希望を得られるよう支援しています」とし、「この日の経験はチャンユにとっても、夢がかなったように 感じられたはずです」と語った。
キム選手本人も、自分と同じように小児がんを患う子どもたちに向けて、「僕みたいにご飯もしっかり食べて、運動も一生懸命やれば治せる」と応援のメッセージを送った。
