
相対生存率が高く、いわゆる「おとなしいがん」として知られる子宮頸がんについて予後を調べたところ、普段からよく体を動かしていた人ほど死亡リスクが低いことが分かりました。
子宮頸がんは、子宮の入口(子宮頸部)にがんが発生する病気です。多くはヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因とされています。子宮頸がんは国内の女性がんの罹患順位で11位で、近年は20〜30代の若年層でも発症率が増加傾向にあります。
子宮頸がんは早期に発見して治療すれば治癒率が高く、相対的に「おとなしいがん」とされます。特に、がんが子宮頸部に限局し他臓器への転移がなければ、5年相対生存率は90%を超えるほどです。ただし近年の研究では、早期の患者であっても、身体活動を継続していた患者のほうが死亡リスクが低いことが示されました。
サムスンソウル病院 産婦人科とスンシル大学の共同研究チームは、子宮頸がん患者における「がん診断前の身体活動レベル」と「死亡率」の関連を分析した結果を21日に発表しました。
研究チームは、国家がんビッグデータを用いて、2012〜2017年に子宮頸がんと診断された女性8833人(19〜79歳)のデータを検討しました。対象者の64.9%は、がんが子宮頸部にのみ認められる状態(原発部位に限局)で、23.7%は周囲組織またはリンパ節へ転移した状態(局所進行)でした。さらに5%は、子宮から離れた臓器まで転移した状態(遠隔転移)でした。
解析の結果、がんが子宮頸部に限局している患者では、身体活動と死亡リスクの間に明確な関連が認められました。診断前まで高強度の運動を行っていた患者は、そうでない患者に比べて死亡リスクが36%低下し、規則的な運動習慣がある患者では最大38%までリスクが低下しました。
また、がんの進行期にかかわらず、全患者において日中のエネルギー消費量が高いほど死亡リスクが低下する傾向も確認されました。特に早期の患者では、総エネルギー消費量、すなわち身体活動量が多いほど、死亡リスクが最大43%まで有意に低下しました。
この効果は、とりわけ65歳以上の高齢患者でより顕著でした。研究チームはこれについて、「高齢患者ほど、病気が生じた際に体が耐える力である『身体的予備力』が低いため、日頃の運動習慣ががん診断後の予後により大きく反映された結果」と説明しました。
研究チームは、子宮頸がんの診断前の生活習慣が実際の予後に及ぼす影響を、大規模な人口ベースのデータで実証した点で、本研究の意義は大きいと評価しています。
研究責任者のイ・ユヨン氏(サムスンソウル病院 産婦人科 教授)は、「早期の患者や高齢患者において、日頃の身体活動の管理が予後改善の重要な柱になり得ることを確認した」とし、「今後、患者に合わせた生存戦略を策定するうえで、本研究結果が重要な根拠として活用されるだろう」と強調しました。
本研究結果は 《International Journal of Gynecological Cancer》 の最新号に掲載されました。
