
男性の胸にも、乳汁が分泌される「乳腺」組織があるため、乳がんが発生することがあります。男性の乳房の構造は女性と同じです。乳腺組織(乳管)と脂肪組織が少ないだけです。男性の乳がんの原因の多くは解明されていませんが、年齢、ホルモン異常、家族歴、遺伝などが挙げられます。転移の状態で発見が遅れると、生存率は低くなります。家族に乳がんや卵巣がんの病歴がある場合は、女性と同様に乳房のセルフチェックを行うのがおすすめです。
男性なのに、なぜ乳がん……
今年1月に発表された中央がん登録(本部)の資料によると、2023年には韓国の乳がんは男女合わせて2万9871人の新規患者が出ました。男性患者は156人です。数は少なくても、油断は禁物です。普段、男性は乳がんをほとんど意識しないことが多いからです。症状も見過ごしやすく、ほかの部位に転移した状態で後から見つかるケースが少なくありません。そのため治療が難しくなることがあります。男性の乳がんでも、予防が最重要であり、早期発見して治療を急ぐことで完治の可能性が高くなります。
危険因子、症状は?
国立がん情報センターの資料によると、乳がんや卵巣がんの家族歴は女性だけでなく男性の乳がん発症率も高めます。特にBRCA2遺伝子の変異が男性の乳がんを増やし得るという研究があります。ほかにも肝硬変、肥満、過度の飲酒(肝疾患を引き起こす)、エストロゲン投与、精巣の問題(停留精巣など)といったものが危険因子です。男性の乳がんは、乳輪の下あたりにしこりが現れます。乳首の下に硬いしこりを触れることがあります。乳房にしこりを感じたら、それが単なるしこりなのか、がんのしこりなのかを区別するために、診察を受ける必要があります。
男性でも乳房の検診が必要な場合
家族の中に乳がん患者が2人以上いる場合、卵巣がん患者がいる場合、本人または家族の中に男性の乳がん患者がいる場合は、遺伝子検査が推奨されます。遺伝の可能性が高いためです。危険因子のある男性は、女性と同じように毎月、自分でセルフチェックをするのがよいでしょう。手で乳房の周囲を触り、しこりがあるかどうかを判断します。毎年1〜2回、病院での定期検診やマンモグラフィが推奨されます。
乳がんは再発の可能性が高い……男女ともに気をつけよう
乳がんは再発の可能性が高いため、最初から予防に注意する必要があります。がん治療後も生涯にわたって定期検診を受け続けるべきです。再発したがんのうち80%〜90%は、最初の治療後5年以内に、残りは10年以内に現れることがあります。初回手術後15〜20年で再発したケースもあります。50代で手術したのに、70代半ばで再発した例もあります。再発の場合は痛みが非常に強く、死亡リスクも高くなります。男女ともに、がんを前にしては油断できません。「完治」という言葉を簡単に口にしないようにしましょう。油断は禁物です。